あなたは「自分は仕事をテキパキとこなしているけど、絶対に損をしている」「できない人が楽していて納得いかない」って思ったことはありませんか?
また「仕事が早くても別に給料が上がるわけじゃないし、むしろ雑談しながらダラダラやっている人の方が残業代で稼いでいるっておかしくない?」って感じたことはありませんか?
そして「別に出世どうこうとかじゃなくて、ただ正当に評価してほしい」って悩んだことはありませんか?
僕はかつてそのことで悩みました。
そして仕事が早いことは損なんじゃないか?って本当に思っていました。
ですがその考えは間違っています。
仕事が早いことは得にはなっても、決して損にはなりません。
今あなたがかつての僕のように「仕事が早いのは損」って思っているのであれば、ぜひ今回の記事を最後まで読んでください。
本当の意味での「損」って何なのかをお教えしましょう。
そして「仕事が早いのは損じゃない」ってきっと思ってもらえるはずです。
目次
マジで仕事が早いのは損って思ってる?【残念な誤解】
結論
そのマインドが損です。
仕事が早い人には余計に仕事が回ってくる論
これは医療事務に限らずどんな仕事であってもあてはまることで、働いている皆さんが一番わかっていることだと思います。
僕たちの給料は固定給です。
残業代がないとすれば、月々の給料はまったく一緒です。
ですのでどんなに一生懸命働いても、反対に適当にさぼっていても、もらうお金は同じ額です。
だとするならばより楽に稼ぎたいというのは、人間の本能としては必然の思考です。
ですが僕たちは人間です。
そこには理性が働かないといけません。
だとしたら楽に稼ぐというホントの意味を、自分で見つけ出す必要があります。
そしてその方法は手を抜くということではない、ということはよく考えればわかることなのです。
ですが多くの人は、その部分をよく考えていません。
そして「仕事が早い人には余計に仕事が回ってくる」という状態を極力避けようとします。
これは新人ではほとんど起こりません。
該当するのは、決まって中堅クラス以上の人たちです。
もうその人たちは慣れがダレになっている、ただそれだけです。
自分の担当業務の範囲、一ヶ月の流れ、一週間の流れ、一日の流れすべて把握した上で、完全に自分でコントロールしています。
そして明らかに時間の余裕が生まれそうな仕事であっても、上手い具合に調整します。
調整とは良い言い方で、普通に言って手抜きです。
そしてこれは最初は意図的だったはずですが、それが長く続くことによってやっている本人でさえもそれがスタンダードな仕事への取り組み方だと錯覚していってしまうのが怖いところです。
もうそれが普通となっているのです。
そして更にその人たちは熟知しています。
仕事が遅いのはダメだが、早すぎるのはもっとダメだということを。
仮に早く終わりすぎた場合、他の仕事が回ってくるのは確実です。
しかしそれは本来の自分の仕事ではない。
余計に仕事をしたところで給料が一緒ならするだけ損、というロジックです。
だからあらゆる仕事において調整を使うのです。
「仕事が早い人には余計に仕事が回ってくる論」に対しては「ひたすら調整」というワザで対抗するのです。
仕事の損得
ホントの損って何?
ここに入院係のAさんとBさんがいます。
Aさんは循環器内科担当、Bさんは消化器内科担当です。
レセプトの難易度、ボリューム的にもあまり差はありません。
2人とも4日で仕上げるようにと言われています。
しかしこの場合上司の見立てがゆるすぎたとしましょう。
Aさん、Bさんも普通にやれば3日で終わりそうということがわかっています。
ここで2人の思考に違いがでます。
A:3日で終わらせてあと1日は違う仕事をもらおう
B:3日で終わるがちょうど4日で終わらせよう
この場合のBさんの思考が「余計に仕事が回ってきては損」というものです。
「自分の担当業務はしっかりこなしているのだから何が悪い」という考えです。
これは何が悪いかというと「何が悪い」と思うこと自体が悪いのです。
つまり「仕事をすることが損」という発想が悪いのです。
ここでは余計に仕事が回ってくることがホントに損なことなのかを、しっかり考える必要があります。
そしてしっかり考えれば、わかるはずなのです、
自分の思考がどれくらい損失を招いているかということが。
仮にAさんが余った残りの1日で整形外科のレセプトの応援に入ったとしましょう。
それが毎月続けば1年後にはAさんは整形外科のレセプトも見れる人になっています。
かたや調整一辺倒のBさんはどこまでいっても消化器内科のレセプトしか見れない人です。
この場合Bさんにとってはすごい損なのです。
なにが損かといえば、Bさんの市場価値にとってです。
見るべきは上司ではなく医療事務市場。
市場価値を高める努力を怠ってはいけないということは、以前に述べたとおりです。

市場価値という点でいくと入院係は、医療事務というくくりの中では比較的評価は高いです。
入院レセプトが見れて外来レセプトが見れるというのは普通にありますが、その逆はないです。
いくら外来レセプトに精通していても、経験がなければ入院レセプトは一切見れません。
経験しないとDPCが何なのかということを、理解することは難しいです。
そしてそのような人材はそんなに多く市場に出て来ません。
逆にいえば入院レセプトに精通していて、DPCに深い理解があってそのスキルを病院経営に活かせる人材ならば、ほしい病院はいくらでもあります。
ですので高めるべきは市場価値なのです。
その場合いくら入院レセプトが見れるといっても、内科系しかわからないのであれば評価は半減します。
外科系レセプト、特に手術関係に強くなければ入院レセプトに精通しているとはいえません。
ですので入院係としては内科系、外科系まんべんなく理解していないと話にならないのです。
そう考えるとBさんの思考だと、この先も一切市場価値は上がりません。
これを損と言わずして何を損と言うのでしょうか。
Bさんの行為は他の分野を学ぶ機会を損失しているだけの行為であり、自分の価値を下げているだけなのです。
ホントの損ってどういうことなのか、目先じゃなくもっと俯瞰して見る必要があるのです。
生産性と市場価値
僕たちが目指すべき仕事の在り方とは、ひとことでいうと高い生産性の維持です。
もうここに尽きます。
生産性を上げることを意識して、つねに仕事にのぞまなければいけません。
結果的にそれが自分の市場価値を上げる役割をも果たすのです。
しかし医事課で生産性の話をしてみても、みんなピンときていません。
「生産性って工場とかの話なんじゃ・・・」
「医療事務と生産性ってどう関係してるの」
みたいな反応が多いです。
生産性とは何かを理解していないものだから「時間内でできなかったものは、時間外の時間を投入すればいいんだ」という安易な発想しか生まれてこないのです。
そして「早すぎる仕事のやり方は損」というトンデモ理論に行き着くわけです。
本来持つべき思考とは
早く仕事が終わる→新たな仕事が回ってくる→さらに生産性を上げる方法を考える→早く仕事が終わる→・・・
という正のスパイラルなのです。
これには損なんて何もありません。
得しかありません。
自分の市場価値が上がることが損だなんて思う人は、一人もいないはずです。
まとめ
仕事が早くて損なんてことは、普通に考えてもかなりおかしな思考です。
ですが多くの人がそう思ってしまうほど、仕事の損得ってみんな気にすることなのです。
ですがそのマインドをなくすことの方が先決です。
仕事で損なことなんてありません。
損なのはそういう思考に行き着くあなたのマインドです。
すべては自分しだいです。
まだまだ成長したいと願う人は、仕事で損という概念を消し去るべきです。
すべて自分の得になると思えばいい。
「いや、やっぱり損なことって絶対ある」って思う人はそれでもいいです。
ですがそれなら自覚すべきです。
もう一切の成長をしない道を自分は選んでいるということを。
それでも結構という人ならもう特に述べることはありません。
ですがそんな仕事姿勢で、ホントに楽しいのかなって思います。
楽しくないようにしているのは、自分自身なのではないでしょうか?