現代社会の大きな問題の1つであるストレス。
医療事務でもそれは大きな問題でして多くの退職者の退職理由がメンタルヘルスに関わるものです。
仕事がわからない、できないというよりもストレスから来るメンタルの崩壊、自己コントロールが効かない状態となってしまい辞めていく人を今まで数多く見てきました。
僕は他の職種を経験していないので比較はできませんが、医療事務は退職率が非常に高い職種だと思いますし、またメンタルが問題での退職も非常に多いと感じています。
今はストレスチェック制度というものが導入されていますが、ほとんど効果は期待できません。
結局自分のストレスは自分で何とかしないといけないのです。
今回はストレス対策においても即効性があるものって何があるの?ってことで3つ紹介します。
現在毎日仕事がイヤでとか、職場に行くとしんどくなるとか、もう限界寸前などと思っている人はぜひ試してほしい3選です。
目次
【辞める前に試して!】3つのストレス解消法【誰にでもできる】
結論
3つのストレス解消法は
1.呼吸法
2.エクササイズ
3.バイオフィリア
です。
ストレス対策は質より量
まずストレス対策、ストレス解消においては質より量の方が大切です。
当たり前ですがストレスフルな環境への反応は人によって違います。
例えば仕事が多いという状況であってもそれをやりがいがあるととらえる人もいればプレッシャーととらえる人もいます。
個人の考え方や性格によってストレスの大きさは変わるため、この方法がベストとはとても言えないのです。
一方でストレス解消の方法を多く持っておけば、もし1つの方法が効かなくてもまたすぐに別の方法を選べばいいので心に大きな余裕が生まれます。
ロールプレイングゲームで新しいダンジョンに向かう前には大量の回復アイテムを買っておくべきなのと同じことなのです。
即効性を重視した3つのストレス解消法
ストレス対策、ストレス解消法と呼ばれるものはこの世にはそれこそごまんとあります。
その中から科学的に効果が大きいと実証されていてかつ即効性が高いものを3つ紹介します。
1.呼吸法トレーニング
不安や緊張を感じた時に深呼吸をする人は多いでしょう。
大事な面接の前やスピーチの直前などに深く息を吸い込んで気持ちを落ち着かせるのはストレス対策としては定番です。
科学的には手軽さと即効性という面からいえば深呼吸が最強とされています。
この呼吸法がなぜ効果が高いかと言えば、息のリズムを変えることで人間のストレスシステムへ直接介入できるからです。
一般的に人間の体は不安やイライラを感じると心拍数が上がって全身が緊張し脳に酸素を送るために息が荒くなります。
これはまだ人類が古代のサバンナで暮らしていた頃にでき上がった防衛システムで、とっさの危険に対して全身にエネルギーを送るために進化しました。
ところがここでわざと呼吸を遅くすると脳はセキュリティシステムを解除し同時に心拍数が下がって体の緊張もゆるんでいきます。
これは呼吸が変わったせいでストレスシステムに危険が去ったとのシグナルが送られ、脳の警戒心が解除されたために起きる現象です。
これで完全に緊張が解けるわけではありませんが、呼吸のリズムさえ整えればストレスシステムは確実に良い方向に影響を受けます。
イライラを感じたらすかさず呼吸を意識すべきなのです。
次に具体的な方法を1つ紹介しておきます。
Box Breathing(ボックスブリージング)
アメリカ海軍の特殊部隊であるNavy SEALsやグリーンベレー隊員などが実際に使っているテクニックです。
やり方は次の通りです。
1.口を閉じ鼻から4秒かけて息を吸う
2.4秒間息を止める
3.4秒間かけて口から息を吐き出す
4.4秒間息を止める
以上をワンセットとして気持ちが落ち着くまで繰り返します。
シンプルですが科学的に効果が認められた呼吸法です。
この呼吸法は自律神経系を調整されることでストレスを和らげる効果があると言われています。
落ち着いたプライベートな場所で音楽などを聴きながら行うとリラックス効果が高くなりますが、目を開けたまま行っても自分を落ち着かせる効果を得られます。
これは一例ですが世に呼吸法はさまざま存在します。
どれがいいのかは試してみて自分に合うものを使えばいいと思います。
2.エクササイズ
運動がストレスに効くと言われれば納得する人も多いでしょう。
散歩するうちに心のもやもやが晴れたりってことを経験した人もいるかと思います。
実際科学の世界ではエクササイズのストレス解消効果はもはや常識となっています。
運動がメンタルの改善に役立つのは体を動かすことで脳の機能を高める物質が分泌されるからです。
その分泌物質の中でも影響が大きいのがエンドルフィンというものです。
これはエクササイズのつらさを和らげるために分泌される物質で、痛みや不快な感覚を減らしすぐに幸福感を与えてくれます。
ランニング中に気分が高まるランナーズハイと同じメカニズムです。
数分でも体を動かせば脳の機能を高める物質は分泌されます。
そして運動強度についてはストレスに強くなるにはつらい運動は不要との結論も出ています。
つまり、ちょっとしたウォーキングやストレッチを1日10分程度するだけでも確実にメンタルは強くなるとのことです。
だとしたらシンプルに毎日の活動量を少しだけ増やすだけでも十分なストレス対策になるということです。
3.バイオフィリア
聞き慣れない言葉ですがこれは「人間の脳には大自然との触れ合いを求める欲望が備わっている」という考え方を意味します。
緑に囲まれた公園でほっとした気持ちになったり、テレビやネットで壮大な自然を見て感動を覚えたりした経験は誰しもあると思います。
これは僕達の中にプリインストールされているバイオフィリアが起動したからなのです。
バイオフィリアに関するメタ分析から出た結論は「自然とふれ合えば副交感神経が活性化して一気にストレスが減る」ということです。
そしてそのストレス解消効果は呼吸法やエクササイズをも上回るとのことです。
まさにバイオフィリアこそ科学が認めた最強ストレス対策の1つと言えます。
人類の祖先は数百万年に及ぶ歴史の大半を豊かな自然の中で過ごしてきました。
数十万世代に渡って広大なサバンナや深い森の中で暮らすうちに人間の脳は動植物に囲まれた環境に適応してきたのです。
にもかかわらず現代の社会は自然が大きく失われており、そのため僕達の脳はコンクリートのビルや電子機器といった古代には存在しなかったものへ本能的な警戒心を抱き、しらずしらずのうちにストレスを溜め込んでいくのです。
つまり、人間には自然を愛する本能が生まれつき備わっており、その欲望を満たしてやらないとストレスは増していく、ということなのです。
そして、自然との接触を増やすにあたってまずやるべきなのは陽の光を浴びることです。
デスクワークが増えた現代では太陽不足が深刻化しています。
例えば5万人を調査したデータによると、室内で働くデスクワーカーの9割は日中に満足な量の日光を浴びておらずビタミンDが慢性的に足りていない事実が報告されています。
ビタミンDは日光を浴びることで生成される成分です。
ビタミンというよりはホルモンに近い働きをしており免疫システムを保ったり、細胞の増殖をうながして美肌をキープしたり、脳神経の発達に関わってメンタルの不調を防いだりなどの大切な働きをしています。
つまり体内のビタミンDが低下するほどメンタルはストレスに弱くなっていくのです。
美容の世界では太陽を避けるのが一般的ですがあまりに日光を浴びないのも考えものです。
太陽の避けすぎは僕たちの心と体に悪影響しか及ぼしません。
まずは太陽を有効に使うことがバイオフィリアを満たすための最初の一歩なのです。
日本人ならば最低でも1日に6~20分程度は日光を浴びるべきとされています。
ストレス対策の多様性
先にストレス対策は質より量だと言いました。
これには2つの意味がふくまれています。
まずはいろいろあった方が1つが効果なかったときに次をすぐ試せるということ。
もう1つは複数の要素をからめるとより効果的であるということです。
そして現在最強の即効性があるストレス対策、ストレス解消法と言われているものがこの複数の要素をからめるという手法をとっています。
最強の即効性ストレス対策・ストレス解消法▶グリーンエクササイズ
これは文字通り自然の中で運動することです。
そして運動の強度は本格的なものではなくて散歩程度でも十分効果があります。
またこの場合の自然とはどれぐらいのものを指しているのかというと、そこらへんの緑がある所という意味です。
ですので簡単に言えば、緑の中で体を動かすということです。
場所は森であったり公園であったりお寺や神社であったりいろいろあります。
運動の種類もウォーキング、サイクリング、ガーデニングや畑仕事でもOKです。
このグリーンエクササイズは1日たった5分でも効果があるとされています。
ですので時間がない人でもできるはず。
周りに緑がないという人もいるかもしれませんが、大都会でない限り探せば必ずあるはずです。
例えば昼休みに近くの公園を散歩するだけでも十分な効果があります。
また休みの日にハイキングや森林浴に出かけるのもいいでしょう。
行う手段はどれでもいいですが大切なのは習慣化することです。
ストレスをマックスまで溜め込む前に軽減するにはつね日ごろからの継続したストレス対策、ストレス解消が必要です。
そのためにグリーンエクササイズを習慣化することはとても有効な方法なのです。
まとめ
今回紹介したストレス対策、ストレス解消法はあくまで即効性に重点をおいたチョイスです。
本来はストレス対策というのはもっと根深いもので根本治療が必要です。
それこそ自分の考え方の偏りを修正し、現実を受け入れられるような強いメンタル作りを行っていかなければなりません。
ですがそれには時間がかかります。
それができなくてメンタルが崩壊していくというのならば、まずは今回の即効性のある対策を試してみてください。
それで自分を安定させ自己コントロールが効く状態に戻した上で根本治療に向かってください。
前にも言いましたがストレスがない仕事は仕事ではありません。
そしてストレスとは自分が大切にしているものがおびやかされているときにかかってくるものであり、それを感じ取れる絶好の機会なのです。
しかし多くの人はそんな風には考えません。
多くの人はどうやってそこから逃れるか、どうしたら避けられるかということだけで頭が一杯です。
そこにはもう働き出した頃の信念や思いなんて微塵も残っていないのです。
なぜ医療事務を選んだのか、なぜ医療関係の職業にたどり着いたか、何にやりがいを求めたのか。
メンタルでつぶれる人は共通点があって間違いなく自分と向き合えていません。
現実を客観的に見ていない、というか見れないのです。
それは今の自分を仕事ができない人と認めるのが怖いからです。
ですがまずは認めるのです。
認めた上で何ができて何ができないのかを考えましょう。
そしてできない所は叱られたとしても、聞くなり調べるなりして習得していくのです。
そこをせず忙しいとか時間がないとか誰それのせいでとか、すべて自分の外に原因を求めるからおかしくなるのです。
できない人は本当は心の底では自分はできないって認識しているはずです。
でもそれを自覚はしていない、むしろできると思い込んでいる。
だから余計に周りと自分の認識がズレてきて摩擦も大きくなるし認めても貰えなくなります。
すべては自分と向き合えていないことが原因なのです。
そこの原因に手をつけずやれ大食いだ、やれギャンブルだ、やれ買い物だ、みたいにストレス解消に走っても解消にはなりません。
そもそもこのようなアドレナリンが出るテンションが上がる行為は、一時的にはストレスから逃れたような気分にはなりますが、ストレスの本質的な軽減には一切なっていません。
そして自分のストレスの元への対処も一切していないのですから、ストレスが限界値を超えてメンタル崩壊となってもそれはもう当然な結果なのです。
古代ローマ帝国の哲学者であるルキウス・アンナエウス・セネカの言葉に次のようなものがあります。
「人間にとって真の最大の敵は、自分の胸の中に居る。」
ここに気づけるか、また気づいたとしてもそれと闘えるか、それが重要です。
メンタルを強くしたいならば自分と向き合い、自分と闘うことは必須なのです。
それができなくて辞めていく人が非常に多くとても残念です。
「いやその前に日常業務で精一杯で、それもストレス過多でそんなことまで考えられない」という人もいるでしょう。
それならば現状のストレスをひとまず軽減するために今回紹介した方法を試してみて下さい。
そしてストレスを軽減させた上で自分に真摯に向き合ってほしいなと思います。