入院係が向いてない!?いいえ、それは成長曲線をわかっていないだけです。

入院係と聞いてあなたはどんなイメージを抱きますか?

入院係を経験していない人にとっては「覚えることが山ほどあって、とても大変な仕事」というイメージだと思います。

現に僕も入院係未経験の頃はそう思っていました。

そしてそんな入院係未経験の人が、入院係に配属されたら間違いなく感じることがあります。

それは「入院係ムズすぎる・・・」ってやつです。

これは誰もが最初感じることなので、そんなに落ち込む必要はありません。

でも中には「自分には入院係は向いていないんじゃないのか?」と悩んでいる人もきっといることでしょう。

今回はそんな人に向けて書きます。

最近配置変えで入院係になった人、転職先で初めて入院係になった人、入職後いきなり入院係になった人などそこに至る経緯はさまざま。

その中で「自分なりには頑張っているんだけれどもやっぱり無理かもしれない」「自分には入院係は向いていないかもしれない」と今あなたが感じているのであれば、ぜひ最後までお読みください。

そうすれば向いている、向いていないの問題とはまったく違うことがわかるはずです。

この先も入院係を頑張ってみようときっと思ってもらえるはずです。

入院係が向いてない!?いいえ、それは成長曲線をわかっていないだけです。

結論

 

入院係に向いていないと感じているあなたに足りないものは「量」と「フィードバック」と「考える力」。

 

ブレイクポイントまで諦めずに努力を継続しましょう!

入院係という仕事

入院係の仕事内容を知らない人にとって入院係とは、ただただ「難しそう、大変そう」という印象しかありません。

入院係の仕事内容をざっくりいえば、入院に関するあらゆる事務業務、計算業務、請求業務となります。

これは対象とする相手が外来患者か入院患者かで外来担当、入院担当と分かれているだけであって、基本的に行う業務というのは同じです。

外来は外来患者の保険請求業務、入院は入院患者の保険請求業務を行います。

ですがその請求業務の難易度がまったく違うのがこの両者です。

言わずもがな入院係の方が格段に難しいです。

なぜなら診療内容の濃密さがまったく違うからです。

投薬、注射、検査の量が比べものになりません。

そして手術、麻酔、輸血などはバンバン出てくる。

外来診療の知識だけでは到底追いつかない。

そしてなんといってもDPC。

これを理解していないと今の入院係はやっていけない。

この先の医療経営を担っていくためにもDPCの知識はマストの項目。

しかしその全貌を理解しようとするならば、それ相応の時間、それ相応の学習を必要とします。

これらをすべてひっくるめ一定の水準に持ってこれて、はじめて一人前といえます。

ですのでほんの数ヶ月やったぐらいで一人前になれないのは、至極当然なのです。

そこにたどり着くには膨大な時間、経験といった積み重ねが必要です。

入院係という仕事は、外来業務とは比べものにならないくらいの長い基礎構築の時間が必要なのです。

入院係が向いていない

なぜこのような話をしたのかというと、多くの人たちはその基礎構築の時間をあまり深く考えていないからです。

軽視しているといってもいいかもしれません。

だから数ヶ月やってもわからないことだらけの現状に対して「自分は入院係が向いていなんじゃないか」という気持ちを抱いてしまうのです。

でもそれは向いている、向いていない以前の問題です。

まだ基礎構築の期間なのに、向いていないってどういう根拠?ってことです。

たしかに入院業務は掘れば掘るほど深みにはまっていきます。

知らないことが次から次に出てきます。

しかしそれはベテランでも同じこと。

僕もいまだに知らないことなんて山ほどあります。

周りの人に教えてもらうことなんてザラです。

でもそれでいいんです。

というかそれが普通です。

大事なことは知らないことを知らないままにしないこと。

日々知識をアップデートしていくこと。

わからなければその都度調べていけばいいんです。

そうやって知識と経験を積み上げていく。

入院係なんてその作業の繰り返しです。

逆にいえば、それができない人では入院係は務まらないということです。

ベテランの中には今までの経験を貯金として、現状の業務をこなす人がいます。

入院係として積み上がった知見は、たしかに現業には大いに役立ちます。

しかし貯金に頼るそのやり方は、どこかの時点で破綻します。

なぜならその思考だと新しいことは、何も生み出せないからです。

今までの算定方法を踏襲する、過去の請求方法を真似る。

できることはせいぜいそんな所です。

診療報酬請求において過去の算定例を参考にすることは多々ありますが、それはあくまで母数のひとつに過ぎません。

絶対ではない。

むしろそこにとらわれることによって、低い点数を取り続けていたなんてことは算定ではよくあることです。

入院収入が全体に占める割合はとても大きい。

その請求業務を担っている入院係。

1円でも多く保険請求できるスキルがあってこそ、入院係である意味があります。

なのに経験則でやり抜ける、同じことの繰り返しと考え、これまでの貯金のみで業務を行う入院係なんて必要ありません。

つまりベテランであっても医事課の戦力に大してなっていない人も実際いるということ。

だったら数ヶ月やったぐらいで向いていないと判断するのは、あまりにも早計なのです。

それは「向いていない」ではないのです。

入院係と成長曲線

成長曲線

ここで成長曲線の話をします。

この曲線はご存知の方も多いでしょう。

これは「自分の思い描く成果(目的)は実際の時間(労力)とは比例しない」ということを示したものです。

 

勉強しかり、仕事しかり、スキル取得しかり。

あなたも過去の経験から、思い当たることがあるはずです。

自分が頑張ったと思っていても、実際は何の成果も出ていない。

その時間と成果のギャップが明らかになったとき、人は挫折しやすいです。

そしてこれはそのまま入院係にも当てはまります。

先ほど言った基礎構築の話です。

多くの人たちはその基礎構築の時間をあまり深く考えていない、と言いました。

つまり、その人たちは最初に必須の土台固めの期間を甘く捉えすぎなのです。

ある程度やっていればわかるようになってくる、できるようになってくると最初漠然と考えています。

簡単にいえば、やっていくうちに自然とスキルがついていくような幻想にとらわれているのです。

そしてそのやっていくうちにという期間が数ヶ月なのです。

人によっては1、2ヶ月がその期間という人もいます。

言うまでもなくそんな短期間で入院係としてのスキルが身につくことは、決してありません。

レセプト請求は月に1回。

だとすればレセプト点検のスキルがついていくのも、1ヶ月単位です。

それも少しずつ、少しずつ。

日々の入力業務に加えて、月1回のレセ期間によって徐々に入院係としての能力が高まっていくのです。

だから最初の数ヶ月なんて本当に基礎構築なのです。

その時点で入院係としての能力なんてないに等しい。

そこから数ヶ月先に役立つスキルを持っておくために、その期間は頑張るのです。

よってその時点で成果が出ていなくて当然です。

でも中にはその時点で「自分には入院係は向いていないんじゃないのか?」と疑問を持つ人が出てくるという話です。

これは成長曲線を理解していれば、すごく滑稽だということがおわかりでしょう。

つまり挫折しがちなポイントでまんまと挫折しているに過ぎない、ということなのです。

絶対成果なんて出ない所で成果を期待している状態です。

客観的に見ればわかりそうなことですが、いざ自分がその状況になるとえてして人はそこに、はまってしまうものなのです。

プレイクポイント

だったらどうすべきなのか?

答えはただひとつ。

努力を継続すること。

すると必ずどこかでブレイクポイントに到達します。

プレイクポイントとはわかりやすくいえば、点と点が繋がる瞬間です。

入院係でいうと例えば、算定の術式と実際のオペ内容がきちんと理解できて算定根拠までわかるようにになった瞬間。

治療のガイドラインまで理解できて点滴内容までわかるようになった瞬間など。

それらは最初ただの診療行為と請求点数にしか映りません。

しかしブレイクポイントまでくれば、それらは明確に紐づくのです。

レセプトを見れば何の疾患であるのか、どのような治療なのかがわかるのです。

そうなればあとは早いです。

急速に成果(目的)と時間(労力)の乖離が縮まっていきます。

そして成果と時間が一致するブレイクスルーポイント(下図の緑の星印の地点)が訪れるのです。

ここまで来れば入院係として一人前です。

しかしここまでの道のりは、なかなかに厳しく長い。

大事なことはブレイクポイントまで努力を継続することです。

点と点が繋がるまでは頑張ること。

でもここが一番苦しい。

なぜなら、わからないことが多すぎて整理できなくなってしまうのがこの期間だからです。

日々の業務に忙殺されて、ある問題が解決できないうちに次の問題が出てくるという頻度が一番高いのがこの期間だからです。

もう何してるのかが自分でもよくわからない、あるいは、やることはわかっているが頭と手が追いつかない。

どちらにせよ大変なことには変わりがない。

それがこの期間。

ここを乗り越えられるかどうかが、入院係としてやっていけるかどうかの境目です。

やるべき3つのこと

この期間を乗り越えるために、あなたがやるべきことは次の3つです。

・量を意識する

 

・フィードバックを意識する

 

・仕事のやり方を考える

「量を意識する」

これはつまり、質より量を優先するということ。

とにかく一人前になるまでは質より量が大切です。

量をこなすにつれて、質が上がっていく。

質が上がれば、量をこなせるようになっていく。

とにかく最初は経験値を積み上げていくこと。

トライアンドエラーを繰り返していくこと。

そこをしっかり意識しましょう。

「フィードバックを意識する」

いくら量を意識するといっても、やみくもにこなした所で何の意味もありません。

必ず、学び→吸収→次回に活かす、というフィードバックが必要です。

一歩進むごとに改善点を見出して、問題を解決しながら量をこなすことが大切なのです。

上司から、先輩からどんどんフィードバックをもらいましょう。

「仕事のやり方を考える」

つねに仕事のやり方を考えてください。

柔軟にものごとを捉えてください。

引き継いだ内容を100%トレースしていくのは仕事とは言いません。

それは作業です。

自分の思考が入っていない業務はただの作業です。

決して作業はしないでください。

つねに自分の頭で考えること。

最善を模索すること。

でないといずれは、過去の貯金を食いつぶしていくベテランに成り下がるだけです。

入院係に決まった仕事の型などありません。

自分なりの型を作り上げていきましょう。

まとめ

 

一人前の入院係への道のりは、決して楽なものではありません。

そして適正として入院係に向いている人、向いていない人というのは確かにあります。

ですが入院係ビギナーの「自分には入院係は向いていないんじゃないのか?」という悩みは、ほとんどが的外れです。

それは向いている、向いていないとかいう問題ではないのです。

少なくともブレイクポイントまでは努力を継続するという姿勢でないと、向き不向きなんて見えてきません。

まずはそこまではやってみる。

その気持ちが必要です。

たしかに入院係は大変な仕事だし、その責任も重い。

でも裏を返せば、その分評価もされるし、やりがいも感じられます。

僕は医療事務員であるならば、誰もが一度は入院係を経験してほしいと思っています。

それぐらい入院係には、医療事務の醍醐味が詰まっています。

今後ますます医療経営という視点は重要視されます。

それはもはや管理職だけが携わっていればいいというようなものではありません。

医療事務員であれば誰もが意識していないといけない視点です。

であるならば入院係のスキルは絶対必要です。

入院を知らずして医療事務員と名乗ることなかれなのです。

入院係の仕事は面白い。

そう感じる人が一人でも多くなることを願っています。

自院の成長の一翼を担える人材に、ぜひあなた自身がなりましょう!

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