自己啓発系の本を読む中で必ず1回は読んでおいた方がいいとされるものにD・カーネギーの「人を動かす」があります。
皆さんの中にも読んだことがある人もいると思います。
「人を動かす」は1936年に発行された世界的名著です。
世界で1500万部以上の売り上げを記録し日本国内だけでも約500万部を売り上げています。
現在でも売れ続けている超ロングセラー本です。
今回はこの本の内容をふまえつつ実際の生活、仕事でどのようにしていくべきなのかを考察します。
目次
【医療事務的】「人を動かす」とは?【原則と実践】
結論
人を動かす為には相手の身になることが大切です。
そしてその為にはメタ認知能力を高めていく必要があります。
人を動かす
「人を動かす」とは?
人を動かすは以下の4部構成になっています。
1.人を動かす3原則
2.人に好かれる6原則
3.人を説得する12原則
4.人を変える9原則
要約
要点をまとめると次の3点になります。
1.批判も非難もしない。文句も言わない。
2.素直で誠実な評価を与える。
3.人の身になる。人の立場に身を置く。
1.批判も非難もしない。文句も言わない。
人を批判しても誰も得をしません。
人は誰でも自尊心があるので批判されてしまうと逆に自分を正当化しようとして要求とは逆効果になってしまうものです。
ここで大切なことは伝え方です。
事実と自分の感情を混ぜてしまうとダメなのです。
つまり、事実を伝える、事実に対する自分の感情を伝えるというように2つに分けることが重要です。
2.素直で誠実な評価を与える
失敗した時に非難することは簡単ですが成功した時に褒めることは意外と見過ごされています。
成功した時に素直に相手に感謝の気持ちを伝えることで人はこの人となら一緒に仕事をしたいと思えるようになるのです。
ここで大切なことは人の長所に目を向けるということです。
そして相手にとっての重要度を高めてあげることが必要です。
人を動かすには「自分からこうしたい」と強い欲求を起こさせる必要があります。
人から言われたことでも納得がいかなければ人は動きません。
だとしたら自分はこの組織に必要な人材だということを思わせることが重要です。
ひいてはそれが職員エンゲージメントの向上につながっていきます。

3.人の身になる、人の立場に身を置く
どう考えても相手が間違っていると思っても相手は決して自分が間違っているとは思っていません。
ですので相手を非難してもはじまりません。
理解することに努める必要があります。
もし自分が相手の立場だとしてどう感じどう反応するだろうかということを想像する力が必要です。
理解と実践
上記はほとんどを削っていますので実際本の内容は数多くの原理原則とその例示に費やされていてかなりボリュームがあります。
そしてその内容は人に好かれるには笑顔で接する、人を説得するには相手に敬意を払う、人を変えるには褒めるなどというようにすごく当たり前のことを説いています。
ですがなぜこの本が今も読まれ続けているかというと当たり前のことと分かっていても私達は普段出来ていないからです。
結局のところ理論と実践は別物ということでいくら本を読んで理解していても実践出来ていなければ何の意味もないのです。
まとめ
本書が語っている真理とは「人生とは人間関係そのもの」ということです。
人とどう関わりどういった関係性を築きそこで何を成し遂げられるか。
それが人生を左右するという原理原則を提示してくれています。
その原理原則をどう学び日常の仕事や生活で実践出来るかということがとても大切です。
医療事務をいう職種は様々な人達と関わります。
患者、家族、病院スタッフ、関係業者、審査機関、保険者等まさしく人間関係そのものといえます。
本書は「人を動かす」ということで相手をどう動かすのかということに注意がいきがちですが本質は相手に動いてもらう為にはどうしていくべきかという話です。
ですので絶対必要な能力は俯瞰する力、すなわちメタ認知です。
自分目線だけでは相手に動いてもらうことなどほぼ不可能です。
物事を客観的にとらえられ事実を正確に把握出来ることで周りとの正しい関係性が築けます。
人の立場に身を置く、物事を俯瞰する、言葉では簡単ですがこれはなかなか出来ることではありません。
それはどうしても自分の感情が邪魔をするからです。
自分の意見、想いがあるからです。
ですがそこで事実と自分の感情を切り離せる人こそが真のプロフェッショナルなのだと想います。
医療事務員である以上今は無理でも必ずそのレベルに到達するんだという気持ち、心意気は常に持っておかなければいけないのだと想います。