このブログではつねづねメタ認知力(俯瞰力)が大切ですと伝えています。
医療事務の仕事で大事なスキルはいくつもありますがその中でも俯瞰する力が最も大事なんじゃないかなと思います。
今回はその点にフォーカスしていきます。
ごまお
目次
【メタ認知】医療事務員こそ俯瞰せよ!【仕事と俯瞰力】
結論
メタ認知力(俯瞰力)の向上につとめましょう。
仕事のとらえ方
チームの一員
医事課は院内のあらゆる部署のアウトプットの中継地点、調整役、潤滑油です。
そして医療事務員はその医事課というチームの一員でありお互いが連携、協力しあえていないとその弊害が医事課内、ひいては院内の他部署にも影響していきます。
ですので担当者としては自分ひとりでもそのアウトプットはまわりに影響し連動しているということを自覚することが大切です。
仕事ができる、できないとは?
医療事務で仕事ができる、できないといえば診療報酬や保険の知識、接遇、コミュニケーション、入力や点検の速度や精度などが思いつきます。
確かにそれらの部分はできる、できないの判断をするところではあります。
ですが最重要ではないと思います。
なぜならそれらはある程度は学習や訓練で向上をはかれるからです。
すなわち強制的に後から上げられる余地がそれなりにあるのです。
ですので今できていなくても継続した訓練でできるようになることも多いです。
だから最重要視しなくてもまだ許されます。
許されないのは後天的に上げていくのがかなり難しくかつ1番仕事ができる、できないを左右してしまう部分です。
そしてそれこそが最重要視すべきポイントになります。それがメタ認知力(俯瞰力)です。
客観視の難しさ
メタ認知力というのはその概念を理解しても実際の生活で向上させていくことはかなり難しいです。
当たり前ですが基本的に人は主観でものごとを見るからです。
客観的にものごとを観察するという訓練を私たちは受けていません。
ですが客観視できなければどれだけ危ういか私たちは知っておく必要があります。
ごまお
ハマる罠
平均以上効果
平均以上効果というものがあります。
これは無意識に自分のことを過大評価することをいいます。
大体の人は知識や仕事力など自分は平均以上の能力を持っていると思っています。
そして主観と客観の評価のギャップはおよそ20%といわれています。
周囲の評価よりも若干高めに見積もり小さな優越感によって自分を下支えしています。
[pdf-embedder url=”https://ijikano.com/wp-content/uploads/2019/09/heikin_ijou_kouka.pdf”]ごまお
ダニング=クルーガー効果
ダニング=クルーガー効果というものがあります。
これは能力が低い人ほど自分の能力を高く見積もる傾向にあることをいいます。
このダニング=クルーガー効果によれば能力が不足している人は自身の能力が不足していることを認識できないどころか自身の能力の不十分さの程度さえ認識できないのだと言います。
したがって他者の能力を正確に推定する事もできません。要は自分を認識できていない、「無知の知」の状態です。
[pdf-embedder url=”https://ijikano.com/wp-content/uploads/2019/09/Dunning-Kruger-Chart.pdf” title=”Dunning Kruger Chart”]上図はこのダニング=クルーガー効果を示しています。縦軸が自信度、横軸が能力・経験値です。
これによるとダニング=クルーガー効果は比例の関係を持っておらずそれどころか能力・経験値が低い人間の方が過剰な自信を持っていることを示しています。
これが恐ろしいのは能力が低い人ほど逆に自分の能力を高く見積もっているという事実です。
そして自分ではそれが分からないということです。
ですのでその能力が足りていない点を他者が指摘したところで意味がないのです。
なぜなら本人に自覚がありませんから。
これは医療事務ではおちいりやすいものであるといえます。
たとえば営業や販売など明らかに数字として自分の成果が常に確認できる職業であればまだ自分ができる、できないという認識はしやすいです。
ですが事務職だとその部分が目に見えません。
確かに査定率などは数字で分かりますが医療機関としての査定率は出してもレセプト担当者ごとの査定率など出しませんし分かりません。
また残業時間は数字で分かりますが仕事の内容、担当がバラバラなのでまわりと比較して残業を減らすようにと言ったところでやってる仕事が同じじゃないので残業時間を比較されても困ります、となってしまうのです。
これはある程度年数を重ねている人のほうが顕著です。
それも同じ業務担当で何年も来ている人がその傾向は強いです。
このダニング=クルーガー効果はその能力について実際に訓練を積んだ後であれば自身の能力の欠如を認識できるようなります。
そしてそこからは比例するように能力・経験値と自信が上昇していくとのことです。
ですが医療事務に限ってはこの図のとおりではないような気がします。
能力・経験値が高い人よりむしろ中途半端な位置の能力・経験値の人の方が自信度が高い傾向があるように思えて仕方ありません。
これは私から見て中途半端な位置の人です。
本人はそうは思ってはいません。
自分はできると思っています。
これは業務担当を長年動かしていない場合に見られやすい傾向です。
本人はその業務の担当は長いですから余裕なわけです。
しかし私から見ればそこしか知らない医療事務員なわけです。
だから私からみれば中途半端、本人からみれば優秀となります。
ですのでこの場合必要な対策はジョブローテーションとなります。
ごまお
まとめ
平均以上効果、ダニング=クルーガー効果は誰しもはまる可能性があります。
それを回避するのに必要なものがメタ認知力(俯瞰力)の向上です。
仕事をする上でこれは必須だと思います。
特に医療事務においては俯瞰して仕事ができるかどうかが1番重要なスキルだと思います。
一朝一夕に身につくものではありませんが日々意識してほしいと思います。
ごまお