今回のタイトルですが文字そのままに受けとれば「マジメな医療事務員」です、で終わります。
はいお疲れさまでした、という話ではありません。
そういう両極端な話ではなくてもう少し複雑です。
そこのところを深掘りしていきます。
ごまお
目次
「マジメVS手抜き」デキる医療事務員はどっち?
結論
デキるのは手抜きな人です。
マジメと手抜き
マジメとは
マジメの定義って人によってさまざまです。
きまじめ、几帳面、完璧主義者などいろいろなイメージがあると思います。
基本的に真面目と不真面目ならマジメがいいに決まっています。
仕事ならなおさらマジメな職員が100%正義です。
この場合はその人の性格や人間性を指しています。
医療事務の仕事をするのにいい加減とかテキトーな性格の人はそもそも向いていません。
仕事をきっちりこなすというのは大前提なのです。
ですので仕事をこなすのにマジメなことはもちろんいいことです。
ですが仕事の場合それがいいとも言い切れないのです。
なぜなら時間の制約があるからです。
1日に働く時間には限りがあります。
時間の概念がないのであればマジメな仕事ぶりはとても評価されるものです。
たとえばレセプト業務ならそもそもこの入力は合っているのか?
このオーダーは合っているのか?
というところまでさかのぼってチェックすれば、それこそ間違いが発見できるかもしれません。
そしてすべてにおいてそれを行えば診療行為の算定漏れを限りなくゼロに近づけることができるかもしれません。
しかしそんなことをしていたらおそらく家に帰れません。
そしてこの例は極端だとしてもこれに似たようなことを少しでもしている人がいるのであれば、それは仕事の目的を見失っているのです。
そこには生産性という視点はないのです。
レセプト業務の最終的な目的は病院収入の最大化です。
もっと言えば病院収益を上げることです。
であるならば最小のインプットで最大のアウトプットを目指さないといけないのです。
ここにマジメな人がはまってしまう罠があるのです。
つまりアウトプットにしか目がいかないということです。
どれだけのリソースを使ったかという視点が抜けているのです。
ですので仕事でマジメを貫こうとすれば必ずインプット、アウトプットの両方に注意しておかなくてはならないのです。
手抜きとは
それなら最小のインプットにするにはどうすればいいか?
そこで出てくるのが「手抜き」です。
これはまず言い方が悪いです。
手抜きというとあたかもテキトーにサボるみたいなイメージですがそういうことではないです。
ここでいう手抜きとは、時間と労働力の有効活用を指します。
簡単にいえば集中と分散です。
つまり最も成果に関わるところには100%の集中力でのぞみ、そこまで重要でないものは手抜くということです。
そこで大事なことは優先順位のつけ方とその判断、割り切りです。
最も頭に置いておかないといけないことは仕事のゴールです。
つまりそのミッションのゴールは何かということです。
そして100%注力するのはそのゴールに直結するものだけです。
そのゴールにほぼ影響しないものは投下するリソースを縮小するかもしくは切り捨ててしまうかです。
有名な法則に「パレートの法則(80対20の法則)」というものがあります。
パレートの法則はイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した冪乗則(べきじょうそく)。
経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという理論。
80:20の法則、ばらつきの法則とも呼ばれる。
<現代でよくパレートの法則が用いられる事象例>
仕事の成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出している。
(ウィキペディア引用)
要は何に集中させるかということです。
上手な手抜きというのはその仕事が本当に必要か不必要かを考えてその中で無駄を省き、効率アップをはかることです。
つまりは時間と労働力の有効活用なのです。
たとえばレセプトでいうなら、最も重要な核は査定されないレセプト、診療行為を最大限収益化できるレセプトです。
そこには120%の力を注入する必要があります。
それこそ目視の点検だけは超高精度で行う、とか、レセプトチェッカーに全リソースを突っ込んで目視点検すらなくしてしまう、などやり方はいろいろありますが、集中するところを1つに決めてしまうということが大切です。
逆にいえばやらないことを決めてしまう、ということです。
そうしないと最小のインプットにはたどり着きません。
手抜きといえば聞こえは悪いですがやっている中身は思考と試行です。
考える→試す→振り返るの繰り返し。
大事なのは考えること。
知恵を出して工夫をほどこすことです。
何事にも一生懸命な人は周りから見れば働き者としてうつりますが、実際は思考停止状態です。
努力の総量でなんとかしようとする人はいつまでたっても成長できません。
そもそも一日中全力投球な仕事なんて成立しません。
人の集中力はMAXの状態だと4時間が限界だそうです。
であれば一日中集中して仕事することなんて不可能なんです。
どこかでゆるめる時間が必要なのです。
繰り返しになりますが集中と分散が大切です。
トップの集中力を発揮するためのほどよくゆるめる時間が必要なのです。
手抜きの時間
ゆるめるといってもボーっとしていていい、とかダラダラ働けというわけではありません。
ポイントは次の3点です。
1.ほどよい休憩、バッファを設ける
2.意志力、集中力を必要としないルーチンや作業はまとめて一気にやる
3.まわりに手伝ってもらう
ほどよい休憩は大切です。
ポイントは集中力が切れる前に入れること。
そうすることで集中力が一気に落ちることを防ぎ長く高い位置でキープできます。
また同じ意味でバッファも適度に設けるべきです。
ぎちぎちのスケジューリングではそれこそ思考停止の作業になりかねません。
また集中力を必要としない作業などはまとめて一気に終わらすべきです。
大事なのは意志力、集中力のムダづかいをしないことです。
朝満タンだった意志力も使っていくうちにどんどん目減りしていきます。
それは本当に使うべきところに投下すべきで使わないで済む作業などはそれこそ思考停止のままで一気に終わらすべきです。
周りに手伝ってもらうというのは自分の仕事を振れという話ではありません。
かかえ込むな、という意味です。
手抜きは悪、全部きちんとしないと、という人はすべて自分でやらなけらばという思いが強すぎるのだと思います。
もっと人を頼ってもいいし、手伝ってもらえばいいのです。
それぐらいの気持ちで仕事にのぞむくらいがちょうどいいと思います。
ごまお
完璧は目指すな
私の経験則ですとマジメで完璧主義者の人にデキる人はいません。
あくまで私の経験上ですが。
ていうかちょっと愚痴っぽくなりますが、マジメで完璧主義者の人はめんどくさいです。
この人たちはメタ認知力が極めて低いです。
自分を客観視できない。
まず知ってほしいのが完璧な仕事などないということ。
そして、完璧は他者が評価するものであってあなたが判断するものではないということ。
完璧なんて目指さなくていい、80%で十分です。
そんなことよりとりあえず終わらせて下さい。

完璧主義者の人も意識すべきはそのミッションのゴールは何か、ということ。
重要なことは仕事の目的であってそのための手段に手をかけすぎてはダメです。
完璧主義者はこの傾向が強いように思います。
手段が目的化しているということです。
ぶっちゃけ方法論とかプロセスなんかどうでもいいです。
求めているのは結果です。
極端な話、8時間勤務の中、午前中の2時間でその仕事の結果まで出せたなら残りの時間はサボっていようが構いません。
ミッションが完了すればすべてOKです。
ただし、周りには分からないようにサボって下さい。
まとめ
マジメと手抜きってなんか言い方がなあ~と思う人には次のように言いかえます。
几帳面・きっちりしている人と要領のいい人。
どっちにしても後者の印象はあまり良くないですね。
ですが圧倒的に仕事がデキるのは後者の人です。
なぜなら考えている量が違うから。
手抜く人は常に考えています。
どうやったらもっと楽にできるだろうかって。
どうやったらもっと効率化できるだろうって。
その視点が大事です。
昔から申し送られてきた今のやり方がホントに一番効率的なのか?
そもそもこの仕事は必要なのか?
根本から疑うことも時には必要です。
「どうやって仕事を楽にしよう」という思考は持つべきです。
大事なのは意味のない残業やムダな仕事に貴重なリソースを割かないことです。
「マジメVS手抜き」デキる医療事務員はどっち?
の回答は「デキるのは手抜きな人」となるわけですが、最強は性格がマジメで仕事ぶりが手抜きな人なんじゃないかなと思います。
ちょっと矛盾していますが。
ごまお