過去の記事では医療事務の給料をいかにして上げるのかということについて書きました。

その中の条件の1つに役職に就くというのを挙げました。
そのためには上司に評価してもらわなければいけないということで
1.上司に好かれる
2.結果を出す
という2点を挙げました。
そしてその中でも「結果を出す」というのはマストですとも言いました。
だったらその結果を出すってどういうことなのでしょう。
今回は「なぜ私はこんなに頑張っているのに認められないんだ」と思っている人にぜひ読んでほしい内容です。
読んでもらえれば、評価されるってどういうことなのか?ってことへのあなたの誤解が解けるはずです。
目次
仕事で頑張っても評価されないと嘆く人が持っている1つの誤解
結論
評価されないのはそれが仕事じゃないからです。
仕事って何?
仕事と作業
この2つは似て非なるものです。
人によってはどちらも同じこととして認識しているかもしれません。
まずはこの2つを明確に分けておく必要があります。
仕事
その結果によって価値を届ける活動
作業
過去からの経験でつちかわれたノウハウやルールにもとづいて決められているゴールに向けて行う活動
ですので仕事を実現するために作業をする必要は出てきますが、作業を実現するために仕事をするということはありません。
つまり仕事というものの中に作業が含まれているという関係性です。
ですので作業イコール仕事ではない、ということです。
作業は仕事の一部分、プロセスに過ぎず、作業完了はあくまで作業が完了しているだけなのです。
そして多くの人が勘違いしているのは、その作業で結果を出そうとしていることです。
基本的にどんな作業にもゴールがあります。
だとすればそこでの結果というのは出るべくして出るものなのです。
作業スピードの差はあるにしろ、必ずゴールにはたどり着くのです。
しかしそれは仕事のゴールではないということです。
ですが多くの人は作業の完了が仕事の完了だと誤解しています。
そしてその作業自体が早くできた、きちんとできたということをもって仕事がしっかりできている、結果が出せていると勘違いしているのです。
しかし、その作業がきちんとできるのは当たり前の話です。
作業とは過去から蓄積されたノウハウをもってマニュアル化されているものであって、当然上手くいくしくみがとられているものなのです。
そのとおりにやっていて上手くいかないわけがないのです。
だからそこはあくまでプロセスに過ぎないのです。
そこに結果を求めることには意味がないのです。
言われたことをしっかりこなす
上司に言われたことをしっかりこなすということは大事なことです。
「私はそれはきちんとできています。でも評価されない。」という人がいるならばよく聞いてほしいのです。
それは最低条件です。
それはgoodではありますが、bestではない。
ここは画一的な日本教育、受験勉強で僕たちがすり込まれているマインドが大きく影響しています。
つまり、言われたことをしっかりこなしていけば良い、人生はそれが一番上手くいく、と思いがちだということです。
たしかに受験勉強では教えられたことを覚え、そのとおりに解くことで優秀との評価を得ます。
なので先生に言われたことをしっかりこなすことが正義です。
ですが仕事ではそれだと赤点なのです。
なぜなら答えが用意されていないからです。
そこにはさらにプラスアルファが必要なのです。
でないと本当の意味で価値を生んでいるとは言えません。
自分なりの思考、自分なりの創意工夫がないと仕事をしているとは言えないし、評価されることもないのです。
つまりどんなにマジメで丁寧に行っていても、上司に言われたことをそのまま形にしているだけでは仕事ではなく作業に分類されてしまうということです。
仮説はある?
医療事務の仕事の本質は思考と行動です。
自分のアタマで考え、まわりを巻き込んで動かしていく。
そうやって病院収益や患者サービスの向上に寄与できる人こそが求められる人材です。
しかし一般的にはそういう認識は薄いです。
考えるといっても点数計算や解釈の理解といった意味での考えるがほとんどを指しています。
そして論理的に考えたり、疑って考える、ゼロベースで考えるということはほぼありません。
つまり作業で完了してしまっているのです。
作業に思考が入る余地などほとんどありません。
それは決められた正解が用意されているからです。
対して仕事には正解がありません。
ですので試行錯誤、創意工夫が絶対必要です。
そしてそのとき必要なのが仮説思考です。
新人の頃は自分のアタマで考えてみなさいと言われます。
逆にベテランになるほど得られる情報が多すぎて、かえって考えられないなんてことがあります。
そしてベテランがおちいってしまう罠が100%の正解を求めにいくことです。
ベテランになればなるほどこの傾向は顕著です。
なぜこうなるかといえば、失敗したくないからです。
ですがこう思う人には大きな誤解があります。
それは失敗しないことがプラスの評価になる、と考えているということです。
反対に失敗することはマイナスの評価だと考えています。
しかしこれはそもそもの視点がズレています。
上司から見られているのはその姿勢です。
つまり挑戦する姿勢そのものです。
失敗は一切しないが挑戦も一切しない現状維持な事務員では評価は上がりません。
そんな姿勢では医事課の力にはなれないからです。
医療事務員に一定の割合でいるのがこの完璧主義な人と現状維持な人です。
それらの人たちに共通しているのが俯瞰力の不足、仮説力の不足です。
そしてその根底にあるのは挑戦するという姿勢の欠如なのです。
仮説思考には思考を両極端に振る、ゼロベースで考えるというのがあります。
こういう思考はとても大事ですが、医事課内ではそもそもそんな発想が出づらいです。
なぜなら考えるのがめんどくさいから、新たに変えることがイヤだからです。
これも結局作業を仕事と錯覚していることが原因です。
本当の仕事をしていれば、仮説やゼロベースはつねに思考として持っていなければ仕事なんかできません、
たとえばレセプト業務ならレセプト点検はそれだけでは作業です。
現在の自院の査定状況をかんがみ、また最近の査定のトレンド、審査機関のクセを分析した上で現時点で強化してチェックしておくべきところはどこか?
どういう症状詳記の書き方をすれば通りやすいのか?
などを仮説検証していくことが仕事です。
そしてそのためにはどこにリソースを注ぐのか。
そもそも目視点検はいるのか?
コンピュータチェックだけでもいけるんじゃね?
というところにまで切り込んでいってこそ業務改善も進むのです。
大事なことは作業と仕事の区別です。
そして新しいステージに飛び込んでいく勇気が何より必要です。
まとめ
頑張っても評価されない場合は、それがはたして仕事なのかどうかを検証する必要があります。
作業をいくら頑張ってもそれはあくまで作業に過ぎないということを知っておくべきです。
そして最後にもう1点聞いておいてほしいことがあります。
それは「頑張っても評価されない」というマインドが間違いだということ。
仕事って評価されるためにしているわけじゃないはずです。
それでは順番が逆です。
結果として評価されるのであって、評価されるために仕事をしているのならば本末転倒です。
また「頑張っているのに」と思うこと自体が自分を過大評価しています。
自分は頑張っていると思っていては、本当の努力にはなりえないです。
まず本当に努力していればそんなことは思いません。
目の前のタスクに集中しているときに「今自分は頑張っている」なんて思っていればそれは邪念のかたまりです。
評価されようがされまいが自分のよかれと思ったことを貫きとおす、挑戦する姿勢を崩さない、それだけでいいのです。
今までどおりの作業を今後も続けるならば仕事としては楽でしょう。
何も変わらずまわりとの摩擦もないでしょうから。
ですがそれではいつまでたっても評価はされません。
頑張った分評価してほしいと本気で思うのなら挑戦して下さい。
失敗して下さい。
その過程ではまわりに批判されることも多々あります。
余計なことをするなという圧がかかることもあります。
でもそんなことは関係ないんです。
大事なのは自分を貫き通せるかどうか。
そこを乗り越えることこそが本当に頑張るということです。
そして1つの結果を出すことができ、それが評価されればすべて報われます。
外野の声なんてその状況しだいですべて変わります。
だから外野は無視でいいのです。
向き合うべきは自分です。
そして本来の「仕事」にて結果を出す努力を続けましょう。
それでも評価されなかったら?
それは今考えることじゃない。
今は目の前の仕事に全力投球するだけです。