世には「愚痴は言うな」という人と「ため込む方が余計にダメ」という人の2種類の人たちが存在します。
愚痴って言わないですめばそれが一番いいことですが、言ってスッキリしたという効果があることも確か。
今回は「愚痴って言う方がいいの?言わない方がいいの?」という点について述べていきます。
ごまお
目次
【どっち】愚痴って言う方がいい、言わない方がいい?
結論
言わない方がいい
愚痴の効果って?
愚痴ってそのことばの意味のとおり「言っても仕方がないことを言っては嘆くこと」です。
ですので相談とはまったく違うわけです。
自分が苦しんでいることを分かって欲しいという気持ちで周りに話し、解決策を探し出したいから協力をしてほしいという協力の申し出であればそれは愚痴とは言いません。
それは相談です。
この場合は一緒に問題を解決しようとなり相談した人も前に進もうとし、相談された側も頼られた感覚となりお互いにとってプラスなこととなります。
ですが愚痴はそれとは全然違います。
言う側の一時的なストレス発散のためだけに使われることが非常に多いのです。
それは本当に言っても仕方がないことばかりです。
そして医療事務の職場は大部分が女性ですからこの手の愚痴がとても多いわけです。
そのような職場で男性はどうしていくべきなのかということは以前の記事にも書きました。
その記事にもあるのですが女性優位の職場で男性が一番持っていないといけないものが「共感力」です。
これがないと円滑なコミュニケーションは保てなくなります。
ですがだからといって愚痴ってくる人の話に乗っかってはいけません。
そうするとあなたも愚痴った人と同類になるからです。
そもそも愚痴る効果って何なのでしょう?
それが相談でないのならそれはもう発言者のストレス解消しかないわけです。
そしてそれでは効果なんていえるシロモノにもなっていないのです。
上司に文句があるのならその上司に言わないと、同僚の仕事のやり方が違うと思えばその同僚に言わないと。
愚痴なんか言ったところで何の解決に向かうんだと。
「そんなことはどうでもいい。ため込んだものをはき出したいの。」という人はよく考えてほしいのです。
それを聞かされている側はたまったもんじゃないってことを。
あなたの一時的な感情の処理のために周りを巻き込むことがどれだけ生産性を下げる行為なのかということを自覚した方がいいと思います。
受動ストレスの感染力はハンパない
前に受動ストレスについて記事にしたことがあります。

受動ストレスとはその名のとおり他者から受けるストレスのことです。
ですので周りにネガティブなことばかりを言う人がいると、自分自身の考え方も変わりネガティブになっていくということです。
要は人は周りのネガティブに引っ張られやすいということです。
だから愚痴を言っている本人にはその気がなくても、聞かされている相手にとってもそれはネガティブなものへと認識されていくのです。
研究ではポジティブな感情よりもネガティブな感情の方が7倍も感染しやすいことが分かっています。
ネガティブな人が1人いる影響を打ち消そうとするにはポジティブな人が7人必要な計算になります。
これって現実的には不可能な計算です。
ですから愚痴を言う人、ネガティブ発言をする人が1人でもいるだけでその感情、空気感はその部署全体を支配してしまうのです。
そのことによってどれだけ生産性が下がるのか、私たちはその点をもっと深刻に受けとめないといけません。
愚痴を言う=暇人
ソフトバンクグループ創業者の孫正義氏の言葉に次のようなものがあります。
世の中が悪いとか、政治家が悪いとか、景気が悪いとか、そんな言い訳を言うとったんじゃ、そんな愚痴を言うとったんじゃ、しゃあないぜよ。
愚痴を言ったら、自分の器を小さくする。
愚痴なんか言うとっても、なんも世の中ようならん。
愚痴を言う暇があったら、自分ひとりの命でもいいから、命を投げ捨てる覚悟があれば、波紋は起きはじめるということです。
人のせいにするのは簡単です。
環境のせいにするのは簡単です。
時代のせいにするのは簡単です。
でもそれでは何の解決にも向かっていない。
愚痴、文句があるならそれについて真剣に考え、行動するしかないだろうってことです。
愚痴を言えるってことは要するに暇人ってことなのです。
大事なのは自責思考での問いかけです。

医事課は行動しない批評家を求めていません。
最低でも愚痴は言うけど行動もするという人にはなりましょう。
愚痴は言う、だが行動はしないじゃホント何のためにいるのか分かりません。
でも実際にそういう人は少なからずいるのです。
医事課評論家なんて1人もいりません。
必要としているのは考え、行動する人です。
愚痴の代替法=エクスプレッシブ・ライティング
「愚痴は言わないってなれば余計にストレスだけがたまっていくよ」という人にはエクスプレッシブ・ライティング(筆記開示)をおすすめします。
エクスプレッシブ・ライティングとは自分の感情や思ったことをひたすら紙に書き出すことをいいます。
実施時間としては1日8分やるだけで効果があったという研究報告もありますができれば毎日20分は行ったほうがいいようです。
毎日1日の終わりに自分の感情を20分間書き出すだけで、メンタルが強くなりストレスが軽減されます。
最初は5分程度からはじめて徐々に伸ばしていくのがいいと思います。
このエクスプレッシブ・ライティングの効果は次の2点です。
1.悩み・心配事を書き出すことで脳のメモリが解放される
2.文字に起こした感情を眺めることで自分の気持ちを客観視できる
筆記開示することで自分の頭の中のことを書き出せば、思考や感情を目にみえる文字として眺められるようになります。
そうすると頭の中だけで自分の感情をとらえようとするより、自分の気持ちを客観視できるようになります。
つまりは当ブログでやたら出てくるメタ認知というものが働きやすくなるのです。
紙に書くことによって「自分はこんな感情を抱いていたんだ」ということが分かります。
このように自分の感情と向き合うとその感情を受け入れられるようになっていきます。
そして心のモヤモヤをスッキリさせたいということであれば余計に愚痴を言うよりは紙に書いた方がいいです。
愚痴を言ってスッキリしたという感情は誰しも持ったことはあると思います。
ですが人に話す場合、相手によく見られたいと思って本当のことを言わなかったり、話を盛ってしまう場合だってあります。
また相手によって話す内容も変わりますし、そもそもすべてを人に話せるということは、なかなかないはずです。
その行為で自分自身を客観視できることはほぼないですし、ホントにその瞬間だけ気が晴れるだけにすぎないのです。
そして本質的な問題は何も解決していないという状態にたどり着くだけです。
それだと意味がないのです。
同じことが繰り返されるだけです。
必要なのは自分と向き合い自分を客観視することです。
そして紙に書くことのメリットはあとから読み返せることです。
「半年前ってこんなしょうもないことで悩んでたのか」とか「今にして思えばこの頃思ってたことも大した問題じゃなかったな」というように思えて気がラクになります。
また「だったら今抱えている問題もそんなに大したことじゃないのかも」というみたいに楽観的視点も持てるようになります。
大事なのは物事のとらえ方です。
愚痴を言っている限りは自分の視点は一切変わりません。
それは他者批判に終始して自分と向き合っていないから。
自分ときちんと向き合おうとホントに思うのならばこのエクスプレッシブ・ライティングの方が格段に有用です。
まとめ
愚痴は百害あって一利なしです。
「愚痴を言うことによって私のモヤモヤがすっきりしたから一利はある」という人は、周りには百害しかないということをしっかり認識しておきましょう。
そして愚痴を言えるということは暇人だということも認識しておきましょう。
孫さんの言葉を自分なりに変えて言うとすれば
「愚痴を言う暇があるくらいなら、自分一人でいいから行動する勇気、変える覚悟があるのなら、波紋は起きはじめる」
ということです。
ぜひ波紋を起こせる医療事務員を目指しましょう。
ごまお