以前に仕事は振りかえろ!という記事を書きました。

過去を振りかえり自分の行動から学ぶということはとても大切です。
ですがなかなかできない、やれないことも事実。
とかく医療事務は時間に追われる毎日です。
日々の業務で手一杯という人も多いと思います。
そんな中振りかえろと言われても「それはムリ」という人もいると思います。
または「何をどのように振りかえるのか?」がわからないという人もいるかもしれません。
今回はそんな振りかえり方について考察します。
ごまお
目次
それは大きなデメリット「振りかえり方がわからない」【リフレクション】
結論
なぜ振りかえる必要があるのか、その意味を腹落ちさせておく必要があります。
振りかえるということ
そもそも、過去を振りかえり自分の行動から学ぶということ、がなぜ大切なのか?
そこがわかっていないと話は進みません。
ここがしっかり自分の中で消化できていないと、ホントに振りかえっているだけで時間のムダとなってしまいます。
まずはこの振りかえりとは何なのかを理解しておきましょう。
振りかえりとは
過去のできごとや自分の行動を見つめ直し、その過程やそれによる結果を考察、分析した上で、未来に活用できる気づきを得る行為、思考
を指します。
または
未来に活かせる教訓を導き出す思考
ともいえます。
結局のところ振りかえりとは未来の自分の役に立つためにする行為であって、そこにどうつなげられるのか、いかに前向きに「よしやろう!」と思えるかが大事なのです。
そこには必ず学びがないといけないのです。
十分な思考過程が必要なのです。
ですがそんな役に立つ振りかえりを行える人というのは限られます。
なぜか?
それは私たちが振りかえり方を教わっていないからです。
それこそ人材育成に関係する学問の場や外部研修などでは頻繁に行われていることかもしれないですが、大部分の医療事務員の人たちはそのようなことは教わらないままここまで来ています。
ですので振りかえろ、過去から学べと言われてもそのやり方がわからないのです。
そしてその重要性すらもよく理解できていない。
振りかえりとは反省すること、と認識している人もいます。
または振りかえりとはネガティブなことと認識している人も。
そうなんです、そもそも振りかえりの定義が人によってバラバラなのです。
失敗から学ぶことは超大事ですが、成功から学ぶこともあってもいいのです。
振りかえりの対象をしぼる必要はどこにもないのです。
ですが
「過去を振りかえって気づきを得なさい」
「教訓を導き出しなさい」
と言われればなぜかネガティブな事象に注目し、なぜかイヤな気分になる自分がいたりします。
失敗からしか気づきは得られないのか。
成功から学べる教訓はないのか。
そんなことはないはずです。
大事なことは広い視野で思考するということです。
過去のできごとはその事実は変えられません。
ですが自分の見方しだいでとらえ方は変えられます。
振りかえることも同じで「結果がこうだったからこうすべきだった」というのはとらえ方の一つ過ぎず、見方を変えればその他のとらえ方もできるのです。
ですのでいかにバイアスなく過去のできごとに向き合えるか、未来につなげる意志があるのかが大切になってくるのです。
振りかえれない
そうはいっても医療事務においては振りかえりをしない人がマジョリティです。
ここには2つの問題点があります。
・振りかえりの重要さを認識していない
・過去のできごとを忘れてしまっている
振りかえりの重要さを認識していない
これは前述したように振りかえりの意味をきちんと理解していないことにより起こっています。
医療事務って振りかえりという点においては、その手法がとても有効に働く可能性があります。
なぜなら一ヶ月の業務がルーチン化しているからです。
毎月毎月同じ仕事が出てきます。
それは完全にカレンダーどおりにシステマチックに流れます。
その中において振りかえるという行為は本来非常に役立つはずなのです。
ですが大部分の人はそのシステマチックな流れに身をまかせています。
別に何かを変化させろとかどんどん変えてゆけ、ということを言いたいのではありません。
ただあまりにも引き継いできた内容をそのまま続けていないか、ということなのです。
そこには何の振りかえりもないのではないか、ということです。
毎月毎月レセプト残業が発生する。
そこには振りかえりはあるのか。
来月に活かせる気づきや教訓は何もないのか。
そんなわけはないのです。
工夫できるところ、変えられるところはきっとあるはずです。
ただそれを考えていないだけ。
というか考える時間もないといった方が適切なのでしょう。
常に目の前の仕事に追われてあっという間に一ヶ月が過ぎていく。
医療事務ってそういう職種です。
ですがそんなのはどの仕事でも同じこと。
医療事務特有のレセ期間というものに惑わされ、あたかも月初は忙しいもの、残業もやむを得ないものとの認識が多くの医療事務員の人にはあります。
ですがだったら余計に「未来に活かせる教訓を導き出す思考」でないといつまでたっても同じことなのです。
レセ期間が終わったら「やれやれ一息」と思っていてはいけないのです。
今回の仕事のやり方、流れはどうだったのか、来月工夫できる点は見つかったのかという振りかえりをしないといけないのです。
それがないまま来月を迎えると、それは単なるレセ期間ループです。
そして今月と同じように「また残業か」と思う自分がそこにいるだけなのです。
大切なのは振りかえることの重要さを認識すること、そして何のためにそれをするのかを理解することです。
過去のできごとを忘れてしまっている
これは振りかえれなくて当然です。
だって覚えていないのですから。
忘れた過去から気づきを得るなんてことができれば、もうそれは悟っている状態です。
そんな高僧のような医療事務員にはいまだかつて会ったことがありませんし今後も現れないでしょう。
人は基本忘れていくようにできています。
そこに何かしらの注意やひっかかりがないとその後も覚え続けているなんてことはまずありません。
先ほどのレセ期間の例でいえば、「毎月同じことしているなあ」って感じていれば忘れてあたり前なのです。
毎月何かしら仕事へのチャレンジをしていれば、先月はこれを試した、先々月はこれを試した、ということは鮮明に覚えています。
だからその過程も記憶しているので十分に振りかえれるのです。
ですが毎月が同じことの繰り返しとなっていれば、もうどのできごとがいつ起こったものかなんてよくわからない。
だから振りかえろうにも振りかえりようがないのです。
この2つの問題点は連動しています。
つまり、振りかえりの重要さを認識していないからこそ忘れてしまうのです。
ですのでやはり大事になるのは振りかえりの重要さを認識することです。
ここが根本部分であり自分ごととして消化吸収しておかなくてはいけないところなのです。
まとめ
医療事務員として生産性を上げていこうとすれば、振りかえりは必須です。
医療事務員は医事課の生産性を上げることに注力しなければならない。
そしてその医事課の最大のミッションは病院収益の最大化です。
そのために必要なことは高い精度です。
レセプト請求の精度、患者サービスの精度、コミュニケーションの精度。
その点を高い位置でキープしようとするのならば、常に工夫し改善する姿勢は不可欠です。
そしてそのためには振りかえりもまた不可欠なのです。
きちんと振りかえりをすると事前に立てた予定とのズレが検証でき、修正や改善ができてくるようになります。
その積み重ねが高い精度を生み出すのです。
逆に振りかえりがないと改善点なんて浮かびませんしモチベーションも上がりません。
「モチベーションが上がらねえ」っていう人がいますが、過去のできごと、過程からなんの気づき、教訓も得られないのであればモチベーションなんて上がるはずもないのです。
未来があるのは今があるから、今があるのは過去があるから。
だったらその過去をないがしろにしているようでは、未来につなげられるものなんてないのです。
未来に対する材料を持ち合わせていない人がその未来に対してモチベーションを上げて、ポジティブにやっていこうなんて思考回路になるはずがないのです。
すべての材料は過去に転がっています。
それを拾えるのか見過ごしてしまうのか。
仕事をもっと楽しいものにしたい、レベルアップしたい、ラクチンにしたい、モチベを上げたい。
そう思うのならばきちんと振りかえりを行いましょう。
過去から学び未来に活かす、成長していくためにはそれは絶対必要です。
ごまお
