先日市役所へ問い合わせのため電話したところ、「本日担当者は休みです。明日以降でお願いします」と言われました。
結構規模の大きい市役所だったので他に対応できる人もいるんじゃないの?って思うのですが実際そんな人はいないようです。
こういうことは今回だけではなく、たびたびあります。
結局役所というところは完全なタテ割りの組織であって、その人が不在だからといって他の人がカバーするような体制にはなっていません。
そんな仕事ぶりで許されるの?って思いがちですが、いやいや人のことは言えないなあって思うのです。
今回は仕事の役割分担についてフォーカスします。
目次
タテ割りは役所だけでいい、医療事務は役割分担をするな!
結論
業務は分担しても役割は分担してはいけない。
業務分担と役割分担
ひとことで医事課といってもその中の業務というのは本当にさまざまです。
一般的に医療事務とは受付、計算、会計、レセプトなどが主な業務となりますが、そのほかにも健診、自賠、労災、DPC等細分化していけばきりがないほど多くの業務が存在します。
そしてそうなると必然的に業務を分担する必要が出てきます。
入院担当ですと各病棟担当として業務を分担するのが一般的ですし、自賠や労災も担当制にして業務分担しているところが多いと思います。
ですので医事課業務とはそれぞれに担当者が割り振られ細分化された仕事の集合体であるといえます。
これは別に医療事務に限らずあらゆる組織の仕事はこのような形で成り立っているはずです。
ただこのとき注意すべき点が1つあります。
それは業務分担=役割分担ではないということです。
業務分担とはあくまで業務をわけているにすぎないのだという認識を持っておかなければいけないということです。
「いや、そもそも業務分担と役割分担って違うものなの?」と思っている人がいるかもしれません。
同じものじゃないかと。
ですがこれは似て非なるものです。
でも多くの人は業務分担とは役割分担のことであると思っている節があります。
つまり自分の担当業務だけが自分の仕事であり、その仕事さえ済ませてしまえばハイ、それで終了と思っているってことです。
自分の仕事に専念してもらって結構じゃないか、そんな意見もあるかもしれません。
ですがこれは非常にまずいのです。
本来医事課の業務というのはすべてつながっています。
つながり合い、お互いを補完し合い成り立っているます。
ですので1つひとつの業務を完全にわけきることは事実上不可能なのです。
お互いが半歩自分の担当領域から出ることによって、業務はスムーズに進むのです。
そのような互いが依存しあえるゾーンがないと必ず抜けもれが出ます。
これは野球の守備と似ています。
レフトとセンターの中間にフライが上がったとします。
このときレフトとセンターというように完全に担当者をわけていると「このボールはレフトとセンターのどっちが追うのか?」「これはセンター寄りだからレフトのオレのボールじゃない」という自分勝手な判断が生まれます。
ですがレフトとセンターと便宜上はわかれてはいるが、ボールをとるという目的はどちらも変わらないんだという意識をお互いが持っていれば、ボールを落とすことはないのです。
これは担当者を決めているからこそ起こってくることです。
本来チームとは1+1を3にも4にもできうるポテンシャルを持っています。
ですがお互いの補完ができていない状態だと1+1は2にも満たなくなってしまいます。
互いが自分のテリトリーだけを強く主張し歩みよろうとしない状態。
これはレフトとセンターが互いのあいだに来るフライを一切取らない状態と一緒です。
これではチームプレーが成り立ちません。
何のためのチームかわからなくなります。
しかし実際自分のポジションから動こうとしないレフトやセンターは多いのです。
これは当人の意識の問題もありますが、役割分担をしていることで起きてしまったことともいえます。
つまり担当者は割り振られた業務が自分の全タスクだと思っているということです。
だから、自分の仕事さえきちんとこなしていれば何の文句もなかろうと思っているということです。
そこには全体を見渡す広い視野、組織全体のことを考える全体最適という概念はないのです。

「それは私の仕事じゃない」「自分の仕事はちゃんとできている」そんな自己中なものの見方しかできなくなっていくのです。
そもそも組織の中の仕事って明確な線引きなんてできるはずがありません。
だから自分の仕事なんてものは本来ないのです。
それはあくまであなたが担当している仕事であって、あなたの仕事のすべてではない。
ですが役所同様タテ割り意識の強い人って案外多いです。
自分のテリトリーをかたくなに守ってそこから一歩も出ようとしない人。
この人に欠けているのは医事課はチームだという認識です。
チームワークの軽視です。
あと自分はできているという過信。
念のために言っておきますが、チーム全体を見渡す視野もなく目の前のタスクをこなすだけに注力するような人にできる人はいません。
結局足らないのはメタ認知力です。
これがないとやっぱりできる人にはなれないのです。

まとめ
仕事に業務分担は必要だが役割分担は必要ない。
これが今日の結論です。
役割はわけてはいけないのです。
お互いが半歩自分の担当領域から出ることによって、業務はスムーズに進みます。
そのような互いがカバーしあえる体制、マインドが定着している職場が理想的な職場です。
そんな職場を目指しましょう!