医療事務残業ゼロ理論【ここを変えよう】

いまだに医療事務は残業して当たり前という風潮は否めません。

中には残業がない理想的な医療機関が存在している一方、レセプト期間での慢性的な残業発生、休日出勤がある所もあります。

それらの違いはどこにあるのか。

何を解決すれば残業はなくなるのか。

そもそも残業はなくならないものなのか。

こういった点を深堀りしていきます。

医療事務残業ゼロ理論

 

結論

残業ゼロは可能です。

その為に必要なことは上司の状況判断プラス医事課全体のマインドセット改革です。

集中力をとり戻せ

ウィルパワー

仕事量=集中度×時間

です。

ですので1番大事なのは集中力です。

そこでキーになるのがウィルパワーです。

ウィルパワーとは、その名の通り意志の力です。

額の奥、数センチのところにある脳の前頭葉は思考や感情をコントロールする機能を担っています。

この前頭葉こそが自分を操る集中力の源でありウィルパワーは前頭葉の体力のようなものです。

肉体の体力に限界があるようにウィルパワーの量にも限りがあります。

意思決定や感情にウィルパワーを使えば使った分だけ消耗しますが、睡眠や食事で回復します。

集中力があってパフォーマンスが高い人とそうでない人の差は生まれ持った才能でもなければ脳の出力の差でもなく、

ウィルパワーを無駄遣いしないで使いたいときに使えるかどうかの違いなのです。

ウィルパワーは消耗する

ウィルパワーは睡眠によってたまるので満タンなのが朝です。

ですがウィルパワーは意志力を発揮すればその分減っていきます。

午前中にウィルパワーを50、午後に40使ってしまうと17時の時点ではもう残り10となります。

残量10の力で高いパフォーマンスを出すことが出来ないのは誰の目にも明らかです。

そこを意識せず残業していることがあるならばそれはもはや時間をムダに消費しているだけの行為なのです。

翌日の朝に回せ

朝15分でやれることは昼では30分かかって夜では2時間かかるとされています。

これも上記のウィルパワーが関係してのことです。

この理論でいくと17時から19時まで残業してやれることが朝なら9時から9時15分でやれてしまうということです。

さすがにちょっとこれは盛りすぎだろうと思うかもしれませんが実際試してみれば分かります。

どれだけ残業で行っていることの作業効率が悪いかを実感することになります。

15分では無理だとしても少なくとも残業時間の半分も必要ないことが分かるはずです。

今日中にしないといけないことでないのなら、さっさと帰って眠ってウィルパワーをためてきて下さいということです。

上司がすべきこと

的確な業務分担

残業が発生してしまう原因には大きく分けて2つあります。

1つ目は業務量に対するマンパワーの不足です。

2つ目は残業へのとらえ方の問題です。

業務量に対するマンパワーの不足とは単純に人手が足りていないかもしくは個人個人に対する業務分担が適正に行われていないということです。

人手が足りていない場合は残業もやむなしです。

早く補充して下さいとしか言えません。

そこに検討の余地はありません。

問題なのは業務分担が適正に行われていない場合です。

これは必ず起こる問題です。

特定の担当者に業務が集中してしまい周りは定時で帰れているのにその人は残業になるということはありがちなことです。

はっきりいってしまえばそれはその担当者の上司が無能ということになります。

管理職なのに管理出来ていないということです。

ですが実際のところは人のマネジメントが1番難しくて上司もなんとかしたいといろいろ考えてはいる訳です。

しかしそれでも無能と言い切ってしまうのはたとえ考えてはいても実行出来ていないからです。

特定の人だけいつも残っている、かたや残業していない人がいる、

これは管理する者が問題の本質をとらえきれていないか、

または本気になって対応していないかのどちらかです。

どちらも無能には変わりありません。

残業か多くなってきているから早く帰りましょうなんて誰でも言えます。

そしてそれを言うことには何の意味もありません。

注意はしている、早く帰るようにうながしているという既成事実を作っているだけに過ぎません。

また業務分担はもう十分見直した、あとは個人の問題だと思っている上司がいるとしたらそれも間違いです。

1度見直したらか終わりではなく常に見直しが必要です。

そうでないとおかしいのです。

新しい業務でもだんだんと覚えていき身についていく訳なのですからいつまでも同じ業務量ではその人は一切成長はしないという前提になってしまいます。

少しずつでも日々成長しているはずなのでそれに見合った見直しを常時かけていく必要があります。

個人差は必ずあるので成長の早い遅い、手際の良し悪しというのは出てきます。

それも見据えた上での的確な業務分担というのが非常に大事になってくるのです。

空気作り

うちの部署は定時に帰るよっていう雰囲気を作ることがとても大切だと思います。

その為には率先して上司が定時に帰ることです。

ですがそんなところは多くないかもしれません。

上司はいつも遅くまで残っているとか役職者が残っている中なかなか帰りづらいということは結構あることだと思います。

しかしここでも同じ結論になるのですが、その上司、役職者達の能力不足です。

何の能力不足かといえばメタ認知のです。

当然上司、役職者達は忙しいのでしょう。

定時になんか帰れるかいって思って一生懸命仕事をしている気でいるのでしょう。

ですがそれでは普通の担当者と同じです。

管理職こそ常にメタ認知が必要です。

医事課全体を見た時、自分が残っていることでどのような影響を及ぼしているのか、

また帰ることによってどのような効果が出るのかということを踏まえた上での行動が常に必要なのです。

マインドセット

上司も部下もですが医事課に残業なんて必要ねぇよっていう断固たる決意が必要です。

残業っていろんなことがからんでくると複雑に考えてしまいがちですが、単純にいえば業務量と意識をどうコントロールするかだけなのです。

だから業務量の問題を解決出来ればあとは医事課全体のマインドセットをどう置くかということだけになります。

心がけてほしいことは

まず終わらせる、完了主義⇒⇒⇒完璧を目指すよりまず終わらせろ【医事課の仕事は完了主義】

時間を区切る⇒⇒⇒医事課の生産性とは? 【パーキンソンの法則】

ということです。

まとめ

 

結局のところ高い生産性とは何かということになります。

冒頭でありました通り

仕事量=集中度×時間

です。

限られた時間の中でいかに集中して仕事を完了させられるか。

そういう意識づけを普段から行えているかどうかにつきます。

朝一の段階で今日は残業しよう、って思っている人は既に仕事に向かっていないのです。

その意識をまず変えるべきなのです。

ただ1つだけ医療事務ならではというか思い通りにいかないことにシングルタスクがあります。

マルチタスクよりシングルタスクの方が生産性が高いことは科学的に証明されています。

ひとえに医療事務といっても経営企画や情報管理の分野であるならば比較的シングルタスクで可能ですがオペレーション分野だとそれはほとんど不可能です。

受付、計算、会計、電話対応などマルチタスクのオンパレードです。

たとえばその合間をぬってレセプト業務や健診業務を行っている人もいるでしょう。

そうなった時に集中力を発揮してシングルタスクでディープワークをしろと言われても完全に不可能な訳です。

対象とする職種を間違えていますよとなってしまいます。

しかしそれもとらえ方です。

どこに集中するかということです。

言い方を変えればどこにウィルパワーを残しておくかということです。

当たり前ですが1日中集中することなど不可能です。

それどころか訓練を積んだプロフェッショナルでさえ1日に集中できる時間は4時間程度とされています。

であるならば私達クラスだと1日に本当に集中出来る時間なんてほんのわずかです。

そのわずかな時間を最も必要な部分に使うことこそが重要なことなのです。

ですのでやるべきことはそこの見極めです。

今日やるべきことの中でどこに1番リソースを突っ込むべきなのか、

時間配分をどう設定するか。

突発的なことを想定してバッファをどうとっておくか、などの予測と状況の見極めが肝です。

そして何より大切なのは残業はいらねえ、残業はダサいという認識です。

事実は変わらなくてもとらえ方は変えられます。

そしてとらえ方を変えられればそこから行動を変えられます。

行動を変えられれば結局全ては変わっていきます。

やれるやれないかの問題じゃない、しようとするかどうかだけなのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。