医療事務と残業、レセプト残業の問題は常に語られるテーマです。
これについては論点が2つあってそれは担当者個人の問題と上司の管理職としての問題です。
今回はそのうちの上司の管理職としての問題にフォーカスします。
ごまお
目次
残業が減らないのは上司が無能だから?【医療事務と残業】
結論
無能だからです。
医事課管理職の問題点
はじめに断っておきますがこの問題は個人レベルと管理職レベルそれぞれの問題を同時並行で取り組んでいってこそ解決方向へつながります。
どちらか一方だけ改善していったところで根本的な解決へはなかなか進んでいきません。
そもそもなぜ残業がなかなか減らないのかということは以前に書きました。⇒⇒⇒医療事務の残業ってなくならないの?【なくならない理由】
今回は管理職の部分に限定して見ていきます。
まず管理職の問題点としては2つあります。
1つ目はコミュニケーションの問題、2つ目はマネジメントの問題です。
1.コミュニケーションの問題
これは部下とのコミュニケーションです。
残業が減らない原因の大部分がここにあると思います。
上司は残業を減らしたいし減らせると思っている、でも部下はそうは思っていない。
そこには両者の業務に対する認識に大きなズレが生じています。
これは部下は目の前の業務にフルコミットするので全体が見えづらく、上司はその内容のすみずみまでは把握していないので細部が見えづらいからです。
視点も認識も違うのでそこにズレが生じてくることは当然のことなのです。
そこで必要なことがコミュニケーションです。
上司が残業をなくしていこうと本気で思うのならば、まずは部下への徹底的な聞き取りが必要です。
そしてそれにより現状を正確に把握することと部下が今どんな思いで業務に向かっているかを理解することが必要です。
残業が減らない場合は圧倒的にこの部分が足りていません。
たとえば、レセプト点検では大病院なら完全分業で日中ずっとレセプト業務にかかれるかもしれませんが人手が足りないところや中小のところでは窓口業務や電話対応もしつつレセをやるというところが多いわけです。
そういった中、業務時間内に終わらせようといくら上司がいったところで「時間内は忙しくてレセなんか見れねえよ」みたいな状況が多くあります。
ここでの問題はその解決策の全てを担当者個人の努力に求めているという点です。
「やり方を工夫して!」「もっとスピードアップして!」「臨機応変に対応して!」上司が言うこれらのことは確かにそのとおりではありますが抽象的でもあり個人に依存しすぎです。
やり方を工夫できる人はすでにできています。
スピードアップできないから今の状況なんです。
本来それらのことは担当者が自分で考え思考錯誤しながら改善していくべきでそうできれば1番いいのですが、実際はそうできない人がいるわけでだからこそそこに上司の役目があります。
ここを努力、根性論で済まそうとする上司がいますがそれではコミュニケーションが上手くとれているとはいいづらいです。
なぜなら結局は上司の感情の押しつけにすぎないからです。
そもそも自分の理想の医事課像がありそこに自分の想いを乗せていっているだけなのです。
はじめから自分の結論があった上でいくら聞き取りをしてもそれでは本当に聞いているだけです。
現場の状況と部下の気持ちをきちんとフィードバックさせていかないと現状は改善されていきません。
だとすれば先ほどのレセプトの件でいうならば、完全にレセプト業務しかしない時間枠を設定する、というシステムで解決する方法を探るべきなのです。
ですので努力、根性論をふりかざす上司がいたらそれはまやかしです。
考えているふりなだけでホントは大して考えていません。
ごまお
2.マネジメントの問題
マネジメントでいえばいろいろありますが今回は1点に絞ります。
それは業務分担です。
残業が多いところでここをしっかり検証し修正しているところは少ないと思います。
なぜならそれができていれば残業は減るからです。
それでも例外があるのでその場合のみ除外しておいて下さい。
それは上司が残業ありき信者の場合です。
この場合は適正な業務分担がされていても残業はなくならないので今回の話の対象外です。
その上司の部下の方はいさぎよく諦めて下さい、もしくはほかに移って下さい。
話を戻しますが結局のところ業務分担はコミュニケーションの問題と連動しています。
日頃からしっかりコミュニケーションがとれていて個人の状況、問題が把握できていれば適正な業務の割り振りというのは可能です。
もしできていないのであればそれは管理職の能力不足か怠慢です。
ですが実際のところ、いろんな家庭の状況や働き方、また個人の能力差などがある中での業務分担はとても難しくそこに苦慮されている管理職の方も多いと思います。
そして更に面倒なのがそこに個人個人の感情がからんでくることです。
業務分担の均一化とは単純に同じ難易度、同じ業務量を割り振ればいいわけではありません。
そんなことをするとできない人だけが残業することになります。
それを避けるためにはできる人とできない人との間で業務量、業務内容の差をつけないといけないのです。
これは管理職としては当然の解釈です。
しかし担当者側からするとたまったものではないのです。
できる人には更に仕事が追加されるという納得しがたい状況になります。
「なぜあの人の分までしないといけないの」「ちっとも楽にならない」「できない人をきちんと指導して」これはそう思って当然だと思います。
262の法則ではどんな組織でも2割の人間が優秀な働きをし6割の人間が普通の働きをし2割の人間があまり働かない、とされています。
ですのでどうしてもできる2割の人にできない2割の人の仕事が回ってくるのは仕方がないことなのです。
ですがこれでは振られた当事者は納得しません。
やはりここで大事になるのがコミュニケーションなのです。
医事課のチーム全体としてどうすることがベストなかを考えた上での業務移行なのだということを理解してもらうほかないのです。
ごまお
まとめ
最後に1つただし書きとして述べておきます。
残業が減らないのは上司が無能だから論は”ただし、人工(ニンク)が満たされていない場合は除く”ということです。
つまり必要人数が埋まっている上で残業が減らないのは上司の管理能力不足だということです。
ですがこれもそもそも何人が適正人数なの?という問題にぶち当たりますが。
この部分の内容はまた別の機会に述べたいと思います。
あともう1点だけ言わせてもらいますと私と違って世の医事課長、医事部長の方はやはり能力が長けているからその職に就いています。
基本的に無能な方はいないと思います。
ただその長けている能力がリーダーシップ力、仕事のマネジメント力、人のマネジメント力、コミュニケーション力、保険請求能力などの中でどこが強くてどこが弱いかというバランスの問題だけだと思うのです。
ですので仕事のマネジメント力が高くても部下とのコミュニケーション力が不足している上司だと部下からすると現場のことを分かってくれていない、と思ってしまいます。
結局最後は人対人の問題に行き着くので医事課内のコミュニケーションがどれだけとれているか、風通しの良さがすべてに響いてきます。
部下からの報連相、上司からの逆報連相(残業削減に有効な方法5選【医事課の挑戦】)がやはり大切です。
私も肝に銘じたいと思います。
ごまお