仕事も人生も挑戦し挫折しまた挑戦していくことで自己成長につながるという話を過去に書きました。
成功するには失敗が必要ですと。
ですが現実は誰もかれもが日々挑戦している訳ではありません。
それでも医療事務員には日々の挑戦と学びが大切です、必須ですという話を今回はします。
目次
挑戦と学びが大切です
結論
小さな挑戦の繰り返しが大きな成果につながります。
日々の学びの積み重ねが自分を支える土台となります。
挑戦
ほとんどの人は挑戦する前に諦める
ナポレオン・ヒルというアメリカの哲学博士が3万人の男女を対象にして「人は何回チャレンジしたら諦めるのか」ということについて検証しました。
その結果はなんと0.8回でした。
つまりほとんどの人は挑戦することなくそんなことは出来ないと諦めてやらないということです。
よってここから分かることはほとんどの人は何もチャレンジしないということです。
挑戦or現状維持
人には2パターンあります。
挑戦を繰り返す人と現状維持な人です。
そして医療事務にたずさわっていて強く感じるのが現状維持な人の割合の多さです。
まず病院というところはかなり閉鎖的で保守的です。
その中の事務部門もやはりかなり保守的です。
ですが一概に保守的だから悪いということでもありません。
中には引き継がれてきた良き慣習というのがある場合もあります。
とは言っても悪しき慣習の方が多いと感じるのも事実です。
ありがちなのは合理化出来る業務を何の疑問も持たずにそのまま継続していることです。
そこには何の思考もありません。ただただ変化することへの拒否反応だけなのです。
たとえば、かなり昔の話ですが入院係の業務のやり方を変えようとして猛反対されたことがあります。
入院係というのは病棟ごとに担当者を置くというスタイルが一般的です。
A病棟の担当者がBさんならば、注射の入力も処置の入力も手術の入力もBさんです。(当時は紙カルテ、コスト手入力の時代です。)
この方法は合理的ではありますが1つ弱点があります。
それは担当者の能力に大きく左右されるので新人とベテランでは入力スピードに圧倒的な差が出てしまうということです。
A病棟担当者は定時に帰れるのにB病棟担当者は残業になるということが普通に起こるのです。
そんな時ある病院のやり方が目を引きました。
そこの病院では病棟単位で担当者を置かずに診療区分ごとに担当者を配置していたのです。
つまり注射の入力は新人のCさん、処置の入力は中堅のDさん、手術の入力はベテランのEさんというようにです。
言うなれば入院係全体で全病棟を担当しているというような感じです。
こうすると個々の能力に合わせて持ち場を動かすことが出来て、更にワンセクションに集中することによってその分野に短期間で強くなりまた次のセクションへとステップアップすることも出来ます。
要するに入院係を縦割りから横割りに変えたということです。
これには当然懸念材料もあります。
たとえば日々の退院処理は誰が行うのかとか、問い合わせ対応は誰が担当するのかというようなことです。
しかしこれは大した問題ではありません。
最初に運用方法をきちっと決めてしまえば不都合は起こりません。
そして当時は入院係での退職者が相次ぎ病棟担当制では明らかに人が足りないという状況でした。
それならば1度診療区分担当制を試してみてもいいのではないかと思ったのです。
上手くいくかはやってみないと分かりません。
ですが何もしないのに状況が良くなることなんてありません。だったら進んでみるしかないのです。
ですがそこに待っていたのは反対の嵐でした。
そしてその反対の理由に何1つまともなものがありませんでした。
「そんな方法聞いたことがない」「前例がない」「そんなこと出来ない、やれっこない」「~の時どうするの?~になったら誰が責任をとるの?」など拒否する為の言い分ばかりです。
つまり大部分の人は可能な限り変化を避けたがるのです。
そして現状維持に固執しそれに甘んじるのです。
ここに考え方の誤りが2つあります。
ます1つ目は仕事をやりにくくしているのは現状維持しようとしている自分自身のせいだということです。
仕事のしやすさ、やりにくさを左右しているのは仕事のコントロール感です。
仕事量がたとえ多くても自分でコントロールしている感覚があればそんなにつらさは感じません。
ですがたとえ少しの仕事量でも自分が一切コントロール出来ない状況だとやらされている感だけしかありませんのでとてもつらく感じるのです。
だとしたら待っていてはダメなのです。現状維持ではダメなのです。
それだと自分でコントロール出来るものなど何もなくなってしまいます。
必要なのは飛び込んでいくことです。
どうやっても変化の波は来るものです。
いずれその波にのまれて自分を変えざるを得ない状況が来るのならば、はなからそこに飛び込んでいって自分を変化させていった方がよっぽど楽じゃねって思う訳です。
次に2つ目は現状維持は決して現状維持にはならないということです。
現状維持とは周りの進歩や変化との相関関係において明らかに後退している状態です。
周りが進んでいる中では同じように進んで現状維持なのです。
それを上回るスピードで進んで成長となります。
だとするならば現状維持は目指してはいけないのです。
常にあらゆる可能性を模索することが必要なのです。
さきほどの例でいくと、診療区分担当制がたとえ上手くいかなかったとしてもそれを試したという事実が重要なのです。
よく上手くいかなかったらどうするのかを事前に必死で考える人がいますが、上手くいかなかったら一旦元に戻せばいいだけです。
何も難しい話ではないです。
そしてもう1つ認識しておいてほしいのは前提として上手くいくことを基準にするから出来なくなるということです。
前述の診療区分担当制の話ですが、それを導入したからといって必ず上手くいくなんて私も思っていません。
ただ待っていてもジリ貧ならば進んじゃえば何か見つかもぐらいの思いな訳です。
大事なのは挑戦する姿勢です。
まずは打席に立て、ということです。
単純に挑戦回数が多いほど成果が出る確立は上がります。
たとえ成果が出なかったとしても経験は蓄積されます。
だったら挑戦すること自体が大きなメリットなのです。
そしてほとんどの人が0.8回しか挑戦しないという状況なのですから、1回挑戦することですら大きな前進なのです。
現状維持でも仕事は出来る?
さんざん挑戦はいいことだ、失敗してもいいんだ、一歩踏み出せと書いていますがそれでも現状維持でいいって人は多いと思います。
それぐらい人は変化することに抵抗があるのです。
大半の人は挑戦する前に諦める、挑戦しても継続しないという状態に陥りやすいのです。
誰だって楽したいって思います。今のままで問題なければこのままでいいって思います。
それは各個人の判断なので好きにすればいいのですが今後も医療事務で食っていこうと思っているのならばそのマインドではやっていけません。
つまり楽したいのならなおさら挑戦を繰り返す人にならなければいけないのです。
現状維持では将来それこそジリ貧になる、ということを自覚しておかなければいけないのです。
医療事務で生き残っていく為に必要なものは医療事務スキルです。
そしてスキルとは知識×経験です。
経験をいくら積んだところで知識をアップデート出来ていなければスキルアップしているとは言えないのです。
2年ごとの診療報酬改定はもちろんのこと、ICT化の流れについていけないとやっていけない時代に入っていきます。
レセプト見てきて20年という人のスキルであってもコンピューターチェックの全チェックデータ公開、そしてそれに対応した市販ソフトの登場となるともう長年蓄積されてきた貯金はもはや貯金にはならなくなるのです。
経験だけでもってきたスキルなどいとも簡単にふっとんでしまうことになります。
そう考えると現状維持ほどリスキーな選択はないのです。
大げさに言うと現状維持は破滅へのカウントダウンなのです。
医療事務に関しては今やっている業務が5年後もあると思わないことです。
そしてたとえ5年後もあったとしても同じ業務を5年続けたところで大した成長はのぞめないと自覚しておくことです。
成長という視点から見るとどう転んだって5年後は今とは違う業務をしていないといけない、ということです。
だったら新しいことへのチャレンジが絶対必要になるのです。
新たな学びが必要になってくるのです。
学び
大半の人は学ばない
全国就業実態パネル調査2018によれば昨年1年間に自分の意志で仕事にかかわる知識や技術の向上のための取り組み(例えば、本を読む、詳しい人に話を聞く、自分で勉強をする、など)をした雇用者の割合は33.1%という数字になったそうです。
つまり7割弱の人が学ぶ習慣を持っていないということです。
医療事務という仕事に就くとき多くの人は勉強したはずです。
診療報酬、保険制度、請求のしくみなど必死で覚えたはずです。
ですが仕事にも慣れ医療事務業務全般が理解出来た頃に継続して勉強してる人はあまりいないでしょう。
それこそ診療報酬改定時には知識のインプットを行うという人も多いと思いますが日々継続的に勉強している人はそんなに多くないと思います。
勉強したいけど時間がないという人や勉強する必要性を感じないっていう人もいると思います。
そもそも何を勉強するのっていう人もいるでしょう。
ですがそのような人達は現状認識が出来ていないのとそれによる将来の見立てが甘いのだと思います。
私達は医師ではないのです。必死で勉強して医師免許を取得すれば一生安泰というような職業ではないのです。
そもそも医師こそ医師免許をとった後も常に学び続けている職業ですが。
そしてまたITエンジニアのような特殊技能を習得している訳でもないのです。
いやいやレセプトを見る能力は十分特殊技能だよっていう人がいるかもしれません。
確かに特殊技能です。普通の人には出来ません。
ですが、見方さえ教わればズブの素人でも1,2ヶ月でそれなりに見れてしまうものです。
更にレセプトチェッカーを使えばそれなりなレセプトは出来上がるものなのです。
対してプログラミングをズブの素人から1,2ヶ月でそれなりな業務をこなせるようにすることはほぼ不可能です。
プログラミングの基礎から学んで最低限のレベルにもってくるのにもそれなりの時間がかかります。
まして普通に業務が出来るようになるにはレセプト点検とは比較にならないほどの時間と労力を必要とします。
そしてそれほどのスキルを身につけているエンジニアであっても今あるスキルに甘んじることなく日々の学習に励んでいます。
それは常に危機感を持っているからです。
時代は常に進化している、状況は刻一刻と変わっているという認識をしっかり持っているからです。
そのようなとらえ方を医療事務員でこそするべきなのです。
なぜ現状のままでも大丈夫と思っているのか。
病院だから安定していると思っているのか。
医療事務の将来像をどう考えているのか一度自分自身に問うべきです。
⇒⇒⇒医療事務の将来性とは?
医療事務の将来像がイメージ出来れば学ぶことの必要性がきっと見えてくるはずです。
学ぶ意味
これはずばり自己成長と他者との差別化です。
自己成長は2つの意味があります。
1つは純粋に知識の最大化です。
知識は多いほど役立つことは当然の事実です。
もう1つは自信の深まりです。
学ぶことによって知識が蓄積されいろんな考え方が出来るようになります。
その結果自分の引き出しが増え対応力が上がり自信へとつながります。
そして学ぶことによって他者との差別化が出来ることは大きいです。
さきほど楽したいならなおさら現状維持はダメだと言いました。
それは結局他人と同じになるからです。
本当に楽をしたいのであれば他人より頭1つ抜き出なければいけないのです。
みんなが出来ることが出来てもそれは評価されません。
結果、いくら頑張ったところで待遇は良くならないですし、仕事への達成感、満足度も大して上がらないのです。
逆に自分しか出来ない仕事は価値が高くて評価されますし、仕事への満足度も高くなります。
目指すべきは抜きん出た存在です。
その為には常に学ぶという姿勢が必要になります。
何を学ぶ?どうやって学ぶ?
これは自分の目指す将来の姿によってアプローチはさまざまです。
スクールに通ったり、オンラインで学んだり、独学したりいろいろ試せばいいと思います。
学ぶ内容も人それぞれですが自分の将来像につながるもの、興味が持てて続けられるものを探せばいいと思います。
勉強法を学ぶことも楽しいですし、独学法を学ぶことも楽しいと思います。
⇒⇒⇒医事課の独学法とは?【この先医療事務で食っていくには】
まとめ
挑戦することも学ぶことも大切なのは続けることです。
そして続けるポイントは最初は小さく始めることです。
そうして慣れさせていって習慣化出来ればしめたものです。
習慣化とは意志力を使わない行為です。
いうなれば毎朝の歯磨きと一緒です。
そのレベルで挑戦も学びも出来るようになれば仕事で成長するスピードが一気に上がります。
そうすることで小さく始めて大きな成果となり得ます。
でも最初は挑戦しても失敗し挫折したり、学んでも全然身につかないってことが多いと思います。
ですがそれは当たり前なのです。
それを当たり前としてとらえ、そのまま進める人とやっぱりダメだと諦める人とで大きく道が分かれるのです。
多くの人は思い違いをしています。
挫折をしちゃいけないと。挫折は避けるべきと。
ですがそれは逆なんです。
挫折はしないといけないのです。
経験しにいくべきなのです。
挫折のない成長なんてあり得ないのです。⇒⇒⇒挫折なしで成長なんか出来ない【倒れても起き上がればいい】
成長したかったら挑戦してください。
学んで下さい。挫折して下さい。
その先に今の自分を超えた自分がいるはずです。