医療事務業界は人の出入りが非常に激しいです。
退職する人が出れば当然そこを補充すべく求人募集となります。
そこで応募があれば面接を行います。
この面接の際の注意点はどこか、採用となる為の成功のポイントはどこなのか、採用面接官としての立場、視点から解説していきます。
目次
医療事務面接の成功するポイントとは?
結論
面接では逆質問が最重要です。
逆質問とは?
面接時には終盤に必ず「何か質問はありますか?」と面接官が聞いてきます。
これは逆質問と言われる項目で面接では定番となっています。ここでどういう内容の質問をするのかが非常に重要です。
なぜ逆質問が重要なのか?
これは何の為に聞いているのかという点を理解しておかなければいけません。
この答えを簡単に言えば、働くことの意欲があるのか?自分なりのビジョンを持っているのか?を問うているのです。
未経験者ならもちろんのこと、経験者でも履歴書や職務経歴書、ペーパーテストでおおよその能力値の予測はつきます。
当然即戦力の人材がいれば一番なのですが実際そのような人の応募はほぼありません。
そうなると面接では何を見るのかと言えば仕事への意欲なのです。
はっきり言って履歴書も職務経歴書も過去のものに過ぎません。
積み上げてきたキャリアというのはその人の財産ですしその経験は貴重です。
しかし、私達が見たいのは今まで何をしてきたかよりも(当然ここも大切ですが)これから何が出来るかなのです。
医療事務は専門職と見られていますが今後将来においてその職域は広げざるを得なくなっていきます。
そのことについては過去に記事にしました。
⇒⇒⇒医療事務の将来性とは?
⇒⇒⇒診療報酬請求事務能力認定試験の資格は必要か?~医事課長視点からの答えとその理由~
今後医事課に必要な人材というのは時代の変化に対応出来る人です。
そして変化を受け入れられるマインドと新しいことでも臆することなく向かっていける姿勢、意欲がある人こそが欲している人材なのです。
面接官の意図
先に述べた点を深堀りしますと逆質問することの面接官の意図は大きく2つあります。
まず1つ目は働くことへの意欲とビジョンを持っているか?ということです。
例えば経験者ならば「今まで〇〇科という診療科のレセプトを見てきたが新たに△△科という診療科にも手を広げいずれはどんな診療科のレセプトも見れるオールラウンダーを目指しています。現在1人当たりひと月何件のレセプトを担当していますか。」や「患者満足度という点で医事課が現在改善点として掲げていることはどんなことですか。」などの質問があれば十分意欲的だなと感じ取れます。
また未経験者であっても「エクセル、ワードはひととおり出来ます。資料作成や文書作成などの業務ならすぐにでもお手伝い出来ると思いますがそのような業務もありますか。」や「タッチタイピングが出来ますが業務に生かすことは出来ますか。」「現在書籍やネットで医療事務について独学中ですが業務をするに当たり取得しておいた方がいいと考えられている資格はありますか。」などの質問であれば十分意欲的と捉えられます。
ポイントは自分は十分に働くことへの意欲がある、将来へのビジョンを持っていることをアピールすることです。
それがあるのならば質問は必ず出てくる筈なのです。
なぜなら自分のイメージしている職場かどうか、やりたいことが出来る環境かどうかということを面接の中での話だけでは情報が少なすぎて足りないからです。
次に意図の2つ目としてはコミュニケーション能力がどれくらいあるか?ということです。
逆質問では自発的な発言が求められます。
そこで自分の考えを上手くまとめて的確な質問が出来るか、会話をスムーズに出来るのかという点を見ています。
前回の記事に書きましたが話す能力が高い人は仕事の能力も高いです。
⇒⇒⇒医療事務員の話す力を上げる方法とは?~なぜあなたの話は伝わらないのか~
短時間の面接の中でもその高い低いは垣間見えます。
特に逆質問時は自発的発言なのでそれがよく分かるということです。
逆質問のNG
一番ダメなのが「特にありません。」「ないです。」という答えです。
これはなぜNGなのかはここまで読んでこられていたら分かる筈です。
こう答えてプラスになることなど何もありません。
ほんとに働く気ある?やる気ある?って思われる可能性大です。
あと事前に分かる情報をその場で聞くのもNGです。
具体的に言うと病院のホームページに載っている内容などです。
面接を受ける病院の診療科や病床数などはあらかじめインプットした上でのぞみましょう。
こちらからすればそれは当たり前と思っている行為なのですが意外に出来ていない人は多いです。
その他にも面接中に話した同じ内容を聞く、業務内容にはふれないで給与、残業、休みについてだけ聞く、などではほんとに働く気あるって思われてしまいますので注意しましょう。
まとめ
面接では逆質問が最重要です。大切なことなので2度言いました。
この他にも面接には重要なことがいくつかあります。
第1印象、服装、話し方、志望動機、退職理由などです。
全てが大切であることには違いありませんが逆質問が最重要だと断言しておきます。
あと医療事務の面接でいうとネットには様々な応答集のようなものが出ていますがあくまで参考程度にとどめておくべきです。
そのまま使うと確実に面接官には分かりますので。
そしてなによりそれではあなたのアピールに何のプラスにもなりません。
面接とはある種のゲームです。
いかに面接官にいい印象を持ってもらう為にアピールするか、採用を勝ち取る為にいかに自分をよく見せるかということに尽きるのです。
その時にネットのテンプレのような発言では何のアピールにもならない訳です。
きちんと自分の言葉として考えて発言して下さい。
そういう点で言うと志望動機もしっかり考えて下さい。
実際家から近いからとか常勤での募集だからとか、とりあえず転職したいからといった本音の部分はある筈です。
そんなことは面接官も十分分かっています。
十分分かった上であなたが用意した志望動機を聞き、自己アピールを聞いた上で仕事への意欲を推し測っているのです。
極論すれば面接なんて面接官の印象が良い人が受かるだけなのです。
はっきり言ってその人の能力なんてその時点で分かりません。あくまで予測が出来るというだけです。
であるならばどういう人が受かるのかと言えば今後の仕事に対してこちらが期待出来る意欲を見せてくれた人となるのです。
そしてその意欲を見せる場が逆質問なのです。
ぜひあなたなりの逆質問を考え出して下さい。