【2022診療報酬改定】議論の整理を整理する<その1>【中医協ウォッチ】

次期改定議論も最終盤です。

厚生労働省は1月12日「これまでの議論の整理(案)」を提示しました。

今後はパブリックコメントから公聴会を経て2月上旬での答申を目指す流れとなります。

今回はこの議論の整理の中身をピックアップして見ていきます。

【2022診療報酬改定】議論の整理を整理する<その1>【中医協ウォッチ】

 

結論

 

自院にとっての重要ポイントを押さえシュミレーションを進めましょう。

診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)

資料→令和4年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)

 

まず本題に入る前にひとつ述べておきます。

この議論の整理はこれまでの中医協の議論を追ってきた人からすると特段目新しいというものではありません。

まさに議論の整理なわけです。

ですが今までそんな議論は追っていない、でも年が明けてそろそろ診療報酬改定の情報を集めなきゃという人はしっかり目を通すべきです。

そして診療報酬改定は政策誘導の側面もありますので、国が今どういう方向に向かわせようとしているのか、何を重視しているのかということはしっかり理解しておく必要があります。

とはいってもこの23ページの資料を読んだところで、何が書いてあるのかがよくわからないという人もいるはずです。

そんな人は診療報酬改定情報の解説サイトを見て理解してください。

昔はそのような情報サイトも限られていましたが、今ではさまざまなサイトが日々情報を発信してくれています。

その記事を読むだけでも十分理解していけます。

イチオシはGemMedです。

イチオシにしなくてもおそらく多くの医療関係者が利用しているとは思いますが。

厚労省の資料を読み、GemMedにて詳細を確認する、これだけで十分な情報が手に入ります。

あとは補足的に自分で検索しながら情報を集めていく。

それで十分なんじゃないかと思います。

それこそ情報はその気になればいくらでも集められますが、大切なのは情報を集めすぎないことです。

それが主目的になれば本末転倒ですので。

何のために集めているかということです。

それは自院のこの先のビジョンを決めていくためのはずです。

情報をもとにシュミレートし経営方針を決定していくことが主目的です。

そのためには軸とする情報元を決めた上で分析、検討していくことが大事です。

「いや私は一介の医療事務員に過ぎませんが」という人も同じです。

自院に関係するだろうところの先読み、深堀り、そのためには情報元は固定化しておくべきです。

でないと情報に右往左往するだけで、何かわかったつもりだが何もわかっていないというような状態になりかねませんので。

情報コレクターは避けましょう。

あと、予測はあくまで予測にとどめておきましょう。

僕たちは予想家ではないのです。

決まっていないことを、ああだこうだ言っていても意味がありません。

全然予想しないのもダメですが、あまりそこにリソースは割かないことです。

今できることを進めましょう。

前置きが長くなりましたが、では本題に入っていきます。

4つの基本視点

2022年改定の基本視点は以下の4つです。

・新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築 【重点課題】

 

・安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進【重点課題】

 

・患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現

 

・効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上

 

Ⅰ 新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築 【重点課題】

 

Ⅰ 新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療 提供体制の構築

 

Ⅰ-1 当面、継続的な対応が見込まれる新型コロナウイルス感染症への対応

 

Ⅰ-2 医療計画の見直しも念頭に新興感染症等に対応できる医療提供体制の構築に向けた取組

 

Ⅰ-3 医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価

 

Ⅰ-4 外来医療の機能分化等

 

Ⅰ-5 かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の機能の評価

 

Ⅰ-6 質の高い在宅医療・訪問看護の確保

 

Ⅰ-7 地域包括ケアシステムの推進のための取組

■看護必要度などのコロナ特例経過措置は2021年度で廃止し、2022年度以降の新点数の中で対応

■急性期入院医療を実施するための体制について新たな評価の導入

【2022診療報酬改定】第2ラウンドを見る【中医協ウォッチ②】<急性期入院医療その1>【2022診療報酬改定】第2ラウンドを見る【中医協ウォッチ③】<急性期入院医療その2>

■総合入院体制加算について、手術の実績及び外来を縮小する体制等に係る要件見直し

■一般病棟用の看護必要度について評価項目の見直し

・「心電図モニター管理」「点滴ライン3本以上管理」項目の除外濃厚?

【2022診療報酬改定】第2ラウンドを見る【中医協ウォッチ㉒】<重症度、医療・看護必要度>

■急性期一般入院料1(許可病床数200 床以上)算定病棟の「看護必要度II」を要件化

■ICU等における重症患者対応に係る体制について新たな評価の導入

■短期滞在手術等基本料の要件及び評価見直し

【2022診療報酬改定】第2ラウンドを見る【中医協ウォッチ④】<急性期入院医療その3・短期滞在手術等基本料>

■ICU用の看護必要度について評価項目・判定基準見直し

■地域包括ケア病棟入院料の要件、評価見直し

【2022診療報酬改定】第2ラウンドを見る【中医協ウォッチ⑤】<地ケア>

■回復期リハビリを要する患者の状態として「急性心筋梗塞、狭心症の発作もしくはその他急性発症した心大血管疾患の発症後または手術後の状態」を追加

【2022診療報酬改定】第2ラウンドを見る【中医協ウォッチ⑥】<回リハ>

■療養病棟での医療区分3の評価項目のうち「中心静脈栄養を実施している状態」の要件見直し

【2022診療報酬改定】第2ラウンドを見る【中医協ウォッチ⑦】<療養病棟入院基本料>

■大病院の受診時定額負担での対象医療機関、保険給付範囲・定額負担額の見直し

【2022診療報酬改定】第2ラウンドを見る【中医協ウォッチ⑧】<紹介状なしで受診する場合等の定額負担>

■「紹介受診重点医療機関」において入院医療の新たな評価

【2022診療報酬改定】第2ラウンドを見る【中医協ウォッチ⑨】<医療資源を重点的に活用する外来>

■管理栄養士による栄養管理の評価充実

■リフィル処方箋の導入

【2022診療報酬改定】第2ラウンドを見る【中医協ウォッチ㉑】<リフィル処方>

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。